引きこもり主婦とは?4つの要因・脱出する3つのポイントを保健師が解説

2018.05.06公開 2018.11.03更新
 

最近、「引きこもり主婦」の存在がクローズアップされ、社会問題として認識されるようになりました。

 

しかし、それでもまだ、女性は男性にくらべて、引きこもりの実態が見えにくく、支援を求めている方が多いという実感もあります。

 

今回は、引きこもり主婦の実態や、長期化を防ぎ、引きこもりを脱出するためにできることを考えてみたいと思います。

 

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引きこもり主婦とは?

内閣府は、学校や仕事に行かず、半年以上自宅に閉じこもっている15~39歳の「引きこもり」の人が、全国で推計54万1千人いるとの調査結果を出しました(平成28年)。

 

しかし、この調査には「専業主婦・主夫又は家事手伝い」をする人数は除かれています。

 

つまり、隠れ引きこもりである「引きこもり主婦」の存在はわからないのが実態です。

 

専業主婦・主夫又は家事手伝いは、必ずしも社会参加をせずとも自宅での生活をすることが可能なため、たとえ、引きこもり化していたとしても、「引きこもり」とは捉えられにくいのです。

 

しかし、先程の内閣府の調査では、

「引きこもりを共感・理解し、ともすると閉じこもりたいと思うことがある」

という女性が多くみられるという結果が出ています。

 

 

引きこもり?専業主婦?

ところで、「引きこもり主婦」と「専業主婦」はどう違うのでしょうか?

 

主婦の仕事の中には、近隣や地域との付き合いも含まれており、子どもがいれば、親同士の付き合いも出てきます。

 

「引きこもり主婦」とは、家族の付き合いや予定に左右されることなく、基本的に家族以外の人と関わらず、社会から孤立している状態だと言えます。

 

例えば、

・今まで定期的に行っていた美容院に行かなくなったり、

・訪問者が来ても居留守をつかうようになったり、

・家族以外の人、友達や近所の人と悩みを共有したり、話す機会を持たない

などの特徴がみられます。

 

周囲に対して被害的になったり、他の人からどう見られているかが気になったり、人と関わること自体に恐怖を抱いてしまったり…という心理的な特徴も見られます。

 

が、こうした傾向は、毎日外に出て外部の人と関わっている家族には気づくにくいものです。

 

気を付けて様子を見て、初めて気づくケースも多いでしょう。

 

 

引きこもり主婦になる4つの要因

「引きこもり主婦」になるまでには、様々な要因が考えられます。

 

一例として、

・引っ越しなどの環境変化

・職場でのマタハラ

・ママ友との関係

・子どもの進学や就職の失敗

など、「子育てや教育を全て担ってきた」という思いを背負い、無力感を感じることなどがきっかけになることもあります。

 

また、結婚や出産を機に退職しなければならず、自分が思い描いていた人生設計の修正を余儀なくされ、失望感を味わうといったケースもあります。

 

さらに、出産後に体調不良や体型の変化があり、外出できなくなるといったケースもあります。

 

「引きこもり主婦」に至る過程には、こうした心理的な下地の上に、結婚・出産・子育てによって、家庭の外に出る機会を強制的に遮断されてしまうという環境的要因も大きく関わってきます。

 

多くの主婦がこの強制的な外界との遮断から、強烈な孤独感や閉塞感、周囲と切り離されていく焦燥感のような気持ちを体験します。

 

これに対しての反応の仕方は実に様々です。それまでの生い立ちが影響するといっても大げさではないでしょう。

 

孤独に耐えられず、ママ友と連絡を絶やさず、出かける理由を必死で探す人もいれば、

 

母親との関係に回帰し、ほぼ日中は実家に戻っている人、

 

社会人になっている友人との距離を縮めるために、週末や夜に子どもを夫に託し、友人とつながりを求める人、

 

自分だけが閉塞していくことを避けるために、夫を巻き込んでいく人もいます。

 

逆に、子どもとの時間をかけがえのないものと感じ、その密接した関係を保つために、あえて外界との接触を避ける人もいます。

 

もともと、自分の対人コミュニケーションに自信がない場合、子どもと夫との関係だけで安定することを望み、社会とつながらない努力をする人もいます。

 

専業主婦であったり、子育て中であったりという状況から安定した社会との接触を保つのは、実はとても努力のいることであり、意識を常に外に向けていないと難しいことでもあります。

 

そうした意味で、主婦が「引きこもり主婦」になってしまうのは、とても簡単なことだとも言えるのです。

 

 

家族でも気づくことが難しい

専業主婦は昼夜関係なく家事・育児に追われており、一日の多くを自宅で過ごします。

 

最近では、ネットスーパーや通販など、外出しなくても買い物は簡単にできますし、自ら外に出ようとしない限り、自然と社会活動から遠ざかってしまいやすい環境にあります。

 

そして、核家族が当たり前になっている社会では、主婦が「引きこもり主婦」になっていることに、気づくことすらできにくいのです。

 

そのため、ご主人が気づいたり、実家の両親が気づいたりする頃には、うつ状態を併発していたり、すでに引きこもり状態が長期化していることが多いのです。

 

長期化した場合、

・人や社会と繋がりたいのに繋がれない(その方法がわからない)

・ストレスが溜まっても発散する方法がない

など、精神的な病気にかかりやすいと言えます。

 

また、解決策が見つからずどんどん追い込まれたような気持ちになり、自分の将来を絶望的にしか考えられなくなってしまいます。

 

家族以外の人たちとのつながりがない状態が続くと、社会での役割は限定されてしまいます。

 

すると、自身の存在価値が感じられなくなったり、自己肯定感が低くなってしまい、ますます社会との接点が持ちにくくなる悪循環に陥ってしまうのです。

 

 

引きこもり主婦から脱出には

ここでは、「引きこもり主婦」を脱出するために有効な3つのポイントを紹介します。

 

(1)家族以外の人との関わりをもつ

「引きこもり主婦」を脱出するには、まずは家族以外の人と関わりを持つことです。

 

仲の良かった学生時代の友人や、同じ趣味を持つ友だち、自分や子供の習い事で知り合う人など、気持ちを共有できそうな相手がいないか、自分の周りを見渡してみてみましょう。

 

(2)外出の“きっかけ”を作る

「美容院に行く」「昔よく行っていたカフェに行ってみる」「郵便受けに手紙を取りに行く」など、きっかけを作ることもよいでしょう。

 

そしてそれができたら、自分をしっかり受け止めて褒めてあげましょう。

 

家族もそうした行動に反応し、感想を言い合うなどの交流を積極的に持つことも大切です。

 

(3)同じ悩みをもつ人を探す

自分の状況をキーワード検索してみてください。

 

同じような状況にある人の記事や情報を得られることもありますし、近場でそのような人たちが集まるコミュニティがあれば参加してみるのも、きっかけになります。

 

何よりも「引きこもり」状態になりかけている時に周囲が気づいてあげることが、長引かせないためには必要です。

 

なにかと引きこもりがちになる気持ちを、家族や周囲の人たちが外出に誘ったり、普段の家事から離れる機会を作ったり、同じような環境の人と関われるイベントや行事に一緒に出掛けてみたり……。

 

ゆっくりでよいので、社会との接触を持ち続けられるように、サポートしていくことが大切です。

 

もし、そうした周囲の協力が得られにくい場合は、すぐにでも身近な相談機関に相談してみましょう。

 

同じ思いをしている人の存在に気づいたり、そうした悩みを当たり前のように受け入れられることをわかるだけでも心強いものですよ。

 

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後藤美穂

看護師・保健師

ほっといい場所ひだまり 代表理事 >>HPはこちら

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