不登校の親の相談先は?仕事は辞める?続ける?事例で臨床心理士が解説

2019.05.28公開 2019.09.10更新

お子さんが学校を休んだしまったとき、「誰に相談したら良いんだろう…」「仕事はどうしよう…」とお困りの親御さんは少なくありません。

 

仕事を続ける場合でも、「子供を家に一人で置いておいても良いのかどうか?」という心配もあります。

 

病気やケガによるものであれば、職場に事情を話して仕事を休むことも出来るかもしれません。

 

けれど、お休みが長引き、いつ頃登校できるかの目途が立たない場合があります。

 

共働き家庭であれば、夫婦で話し合い、仕事を一時的にお休みする選択も出来ますが、シングル家庭の場合はそう簡単にはいかないのが難しいところです。

 

そこで今回のコラムでは、様々な不登校のケースを見てきた現役スクールカウンセラー(歴10年以上)の立場から、不登校になってしまったお子さんへの対応についてお話させていただきます。

 

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不登校になってしまった場合の相談先

何らかのケガや病気などの事情がある場合をのぞき、

年間の欠席日数が30日以上になると「不登校」

という扱いになります。

 

学校と教育委員会で、特に支援体制を強化させるべき生徒(児童)であるとして捉え、連携しあいながら学校復帰を目指すために動いていきます。

 

それでは、親として何をどのように動いていけばよいのでしょうか。

 

不登校の状態になっているということは、

「学校へ行きなさい」と再三言ってみても、お子さんの足が学校に向かなかった結果

ですので、手詰まりのような感覚に陥ってしまいがちです。

 

そこで頼っていただきたいのが、各相談機関です。

 

一番はスクールカウンセラー

一番におすすめしたいのは学校に派遣されているスクールカウンセラーのところへ相談されることです。

 

スクールカウンセラーはほとんどの場合、複数の小中学校等を掛け持ちしているので、まずは来校日を調べてみましょう。

 

「相談室だより」「生徒指導通信」など、各学校によってお知らせの仕方は異なります。

 

プリント等での通知がない場合は、職員室の教育相談担当の先生(担任の先生でも構いません)に、聞いてみてください。

 

スクールカウンセラー利用のメリット

学校に来るカウンセラーに相談することの最大のメリットは、

カウンセラーが直接、学校の先生や部活の顧問の先生、お子さんの友人らと話しながら、問題に取り組める点

にあります。

 

たとえば、教室に入ることは出来なくて、別室登校であれば出来そうだいうこともあります。

 

その場合、スクールカウンセラーが先生達との間に入って、場のセッティングなどうまくコーディネートしてもらうことが出来るのです。

 

またカウンセラー側も、学校に通ってきていたときの様子について知りやすいので、たくさんの情報の中から登校復帰を目指すための最善策を打ち立ていくことができます。

 

学校以外なら自治体の教育センター

次に利用しやすいのが、自治体で設けている教育センターを利用する方法です。

 

市町村によって名称は異なりますが、かならず教育相談を受けられる施設が設けられています(教育委員会の管轄)。

 

学校に直接出向くことに抵抗がある場合や、あえて学校と距離ととって進めていきたい場合はこちらがおすすめです。

 

 

医療機関系列の相談室などもある

先に挙げた、2か所は無料で相談することが出来ますが、予約がなかなか取れないデメリットもあります。

 

その場合は、

・都道府県の設置している教育相談センター(名称は各都道府県によって異なります)

・私設相談室

に問い合わせて、利用を検討してみてください。

 

私設相談室は、

・心療内科などの病院の系列で運営されているもの

・大学など教育機関に併設されているもの(一般にも開放されている所も多いです)

・個人経営のカウンセリングルーム

など多岐にわたります。

 

心身の状態が思わしくなく、心療内科を受診しながら不登校と向き合っていく必要がありそうな場合には、医療機関の系列の相談室を利用する方が、うまく連携をはかることが出来ます。

 

お子さんや家庭の状況にあわせて、お選びいただければと思います。

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鈴木なつこ

臨床心理士 公認心理師

心理系大学院在学中よりフリースクールスタッフ、精神障害者の共同作業所などを経験。修士課程修了後、スクールカウンセラーとして従事。電話相談業務も兼ねる傍ら、臨床心理士を取得。現在は公認心理師資格を取得し、公立小中学校のスクールカウンセラー。専門は不登校と発達障害。一児の母。

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2019年5月28日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。