
心の疲れのサインは身体にあった!?コンディショニングコーチが語る身体のケア
忙しさに追い詰められて、発症したうつ病


前職では、管理職に加え、事務や総務、サイト運営などもすべて竹内さんが担当していたそうです。


ただ、結婚して子どもが生まれてからは、独身時代のような働き方はできなくなりました。ちょうど同じ時期に、仕事でちょっとしたトラブルもあり…。
それまであった仕事への情熱が、ぱっと消えてしまったんです。


今でも覚えているのが、妻と子どもが実家に帰っているときに、ひとりで出社する朝。「今日も気合入れなきゃな!」と思って、玄関で靴紐を結んでいました。
そのとき、靴紐がぷつんと切れたんです。その瞬間、「あ、僕もう終わったな」と。


精神的に追い詰められていたんでしょうね。突然、涙がボロボロと出てくることもありました。


あとは、自分の考え方が変わったことが大きいです。


そんな考え方のときに、うつ病になって…。自分でも、自分が信じられませんでした。

うつ病で、布団から起き上がれなかった時期の竹内さん。

家族の時間があって、生きていられる。
それまでは自覚していなかったことに、とても幸せを感じました。


そのことに気がついてからは、とても気持ちが楽になりました。うつ病の回復にも、とても影響したと思います。

地位財と、非地位財。2つのバランスが大切

ただ、僕は会社が嫌いで辞めたわけではなかったんです。会社の志にも共感していたし、自分の働きに誇りも持っていた。
でも、うつ病になって仕事を続けられなかったから、辞めるしかなった。




身体の痛みが緩和されて業務のパフォーマンスが上がれば、仕事にやりがいも生まれる。そうすれば、人生がもっと豊かになると思う。
健康に働けて、家族に元気に「ただいま」を言えたら、最高じゃないですか。


今の僕は、「地位財(ちいざい)」と「非地位財(ひちいざい)」を意識しているんです。




ホワイトボードを使って、分かりやすく説明してくれる竹内さん。
他人と比べられるものですね。他人と比べて、あるかないか。
・「非地位財」は、健康や心、愛情のことです。
他人と比べずに、幸せを感じられるもの。


幸せが長続きするのは、非地位財と言われています。


例えば、20万給料が上がるとしたら「やったぜ!」ってなるじゃないですか。




ただ、幸せを感じながら生きるには、健康であるとか、心がいい状態であるとか、帰る場所があるとか。そんな、形のないものがとても重要なんです。


僕も、昔は地位財ばかりを求めていたんです。頑張れば頑張るだけ豊かになれると思っていました。
役職も意識していたし、年収も高くしたかった。かっこいい服を着るとか、良いマンションに住むとか、そういうことがしたかったんですよね。


家に帰る時間がないくらい働いていたあの頃よりは、年収は下がった。でも、感じている幸せは、今のほうが大きいと思っています。
家族と過ごす時間も増えたし、自分も健康になったし、健康になることでチャレンジもできるようになりました。


「地位財」と「非地位財」、2つのバランスが大切だと思います。

「地位財(ちいざい)」と「非地位財(ひちいざい)」


僕は、企業は社員ひとりひとりの幸せの総量だと思っているんです。個人が幸せなら、結果的に仕事のパフォーマンスも上がる。


その流れが起きるといいなと思って、今は行動しています。

「自分がしてほしかったことを、周りの人にシェアしているんだと思う」と話してくれた竹内さん。身体の健康が、心の健康にも繋がると教えていただきました。
竹内さんがうつ病になって気がついた小さな幸せは、現代の私たちが忘れがちなものなのかもしれません。日々を健康に過ごせること、笑いあえる家族や友人、恋人がいること。
そんな身近な幸せを、毎日の忙しさに追われてどうか忘れないように。自分にとっての幸せがなにか、ゆっくり考えてみるのもいいのかもしれません。
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- 本記事は2019年7月22日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。