うつ病の超初期症状とは?気づくポイントを元精神科看護師でうつ病経験者が解説

2017.01.27公開 2019.05.16更新

うつ病の超初期かもしれない症状とは?

では、具体的に、うつ病の超初期症状に気がつくためのポイントとはどのようなものなのでしょうか?

 

いくつか挙げてみますので、参考にしてみてくださいね。

 

 

「なんとなく」やる気がしないと感じる

あなたには、習慣にしていることや、好きで毎日のようにしていることなどがありませんか?

 

例えば、通勤電車の中で本を読むこと、SNSをチェックすること、運動をすることなど、自分の中で当たり前のようにやっていることが少なからずあるのではないかと思います。

 

そのような行為を、「なんとなく」やる気がしない、する気になれないと感じていないかどうかが、ひとつのポイントです。

 

目立った憂うつさはないし、いつも通りに生活をしているつもりでも、習慣になっているものや進んでやっていることができなくなるのは、うつ病の症状のひとつである意欲低下の始まりかもしれません。

 

 

好きなものを美味しいと感じない

「好きな食べ物は?」と聞かれて、思い浮かぶものは何でしょうか。

 

スイーツ?ラーメン?食べ物の種類でなくても、この店の味が好きで何度も行く、という人もいるかもしれませんね。

 

そんな好きな食べ物や味を、いつもより美味しいと感じなくなるのも、注意すべきポイントです。

 

食欲はあるけれど、いつも美味しいと思うものが、なぜかそんなに美味しいと感じない。それは、味が変わったとか落ちたとかいうわけではなく、美味しいと感じられなくなっているのかもしれません。

 

「なんだか美味しくないな…」がだんだん「食べたくないな…」に変わり、食欲低下という症状になっていきます。

 

私自身も、もともと食べることが好きだったのですが、うつ病と診断される前は少しずつ食事が美味しいと感じられなくなり、最終的にはほとんど食べないという状態になってしまいました。

 

好きなものを好きと感じられなくなるという変化は、気をつけたほうがいいかもしれません。

 

 

なんだか体調がイマイチである

明らかな体調不良ではないけれど、なぜか体調がイマイチ良くない…というのも注意したほうがいいかもしれません。

 

疲れやだるさがなかなかとれない、頭痛や胃痛が続いている、などの変化があれば、早めに対処したほうが良いでしょう。

 

もちろん、うつ病でなく他の病気である可能性もありますので、場合によっては検査などを行う必要もあるかもしれません。

 

体調不良は放置せず、早めに対処するよう心がけましょう。

 

 

異変に気がついたら、どうしたらいい?

もしも、そういった異変に気がついたら、どのように対処したら良いのでしょうか。

 

うつ病は、個人個人で原因や症状の程度などが異なりますので、ベストな対処方法というのは一概には言えません。

 

しかし、早めに自分の異変に気がついたなら、できることはいくつか考えられます。

 

 

休養を取る

うつ病の治療の基本ともされているのが、休養を取ることです。

 

うつ病の症状が重くなって、仕事や日常生活行為が困難になるようであれば、長期の休職も必要となるでしょう。

 

しかし、まだ不眠や抑うつ感などが強くないのであれば、上司と相談して連休を取るというのも、ひとつの方法かもしれません。

 

「このところ多忙だったな」「ゆっくり休んでいないな」という人は、まずはしっかり休みを確保するというところから始めてみてはいかがでしょうか。

 

 

生活リズムを整える

食事をとる時間や内容、睡眠時間など、基本的なことではありますが、生活リズムを整えることが不調の改善につながることもあります。

 

「そんなに寝なくても平気!」「たくさん食べなくても大丈夫!」という人もときどき見かけますが、自分で思っているよりも、体や心には負担になっているかもしれません。

 

病気かも、と疑う前に、生活リズムが乱れていないかを見直すことも大切ですよ。

 

 

気分転換を図る

仕事のことや家庭のことなど、ひとつのことばかり考えていると、疲れてしまうことがありませんか?うまく気分転換を図ることはストレスの解消につながります。

 

運動をしてみたり、趣味に没頭する時間をつくってみたりと、いくつか自分の中で気分転換方法のレパートリーがあると良いですよ。

 

簡単にできるものからそうでないものまで、何種類か方法があると、場面に合わせて対応できるようになるので、おすすめです。

 

 

カウンセリングに行く

もしも、そんな症状が現れる原因がなんとなくでもわかっているなら、カウンセリングに行ってみるというのもいいでしょう。

 

家族や友人に話しにくいことでも、話を聴くプロであるカウンセラーなら、話すことができるかもしれません。

 

話す場所を持つということは安心感につながりますし、話すことで自分の思考が整理されることもあります。

 

カウンセリングでストレスへの対処方法がわかれば、心身の不調も生じにくくなっていきます。

 

 

病院を受診する

「やっぱり何か変だ」「いろいろやってみるけどうまくいかない」と言った場合は、病院を受診することも選択肢として考えてみましょう。

 

眠れない、憂うつ感があるなどの症状があるなら特に、精神科や心療内科を早めに受診することをおすすめします。

 

精神科も心療内科も、怖いところではありません。

 

症状を良くしてくれる薬に頼った方が、回復が早いこともあります。無理に我慢して、症状がどんどん悪化する方がつらいのではないかな、と思います。

 

私は不眠の症状がひどかったのですが、初めて受診して薬を飲み始めてから眠れるようになって、とても楽になった経験があります。

 

最初は受診するのに勇気がいるかもしれませんが、一人で我慢せずに、つらいときは頼ってみましょう。

 

 

異変は小さくても無視してはいけない

ほんの少しの異変でも、おかしいなと思うなら、それは何かのサインかもしれません。

 

「私は大丈夫だから」と無視しないこと。無視し続けた結果、長期休職を余儀なくされるという自体にもなりかねません。

 

心身の異変は、自分と向き合い、大事にするきっかけです。

 

無理をし過ぎていなかったか、生活リズムは乱れていなかったかなど、振り返る時間をつくるようにしてみてほしいなと思います。

 

【関連まとめ】

>>うつ病は治る?治らない?うつ病の症状、原因、対策、インタビューまとめ

>>【家族向け】うつ病で社会復帰するまでの心がけとは?

>>【家族向け】うつ病初期の接し方とは?うつ病当事者の看護師が解説

>>【家族向け】うつ病回復期での対応方法とは?うつ病当事者の看護師が解説

シェア
ツイート
ブックマーク

小松亜矢子

元看護師のフリーライター

自衛隊中央病院高等看護学院卒。22歳でうつ病を発症し、寛解と再発を繰り返し今に至る。自分自身のうつ病がきっかけで夫もうつになり最終的に離婚。夫婦でうつになるということ、うつ病という病気の現実についてもっと知ってほしいと思い、ブログやウェブメディアを中心に情報発信中。

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2017年1月27日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。