自尊心が低くプライドが高い人の生きづらさ、うつの危険信号とは?臨床心理士が解説
自尊心が低い&プライドが高い人の生きづらさ
ではなぜ、このプライドが高く、自尊心が低い状態が生きづらくなってしまうのでしょうか?
まず、自尊心が低いと、自分で「自分はこれでいいのだ」と思うことが難しいので、他者から評価されることを求めるようになります。
他者から評価されることによって「自分はこれでいいのだ」と確認するのです。
他者から評価されるには、他者から見て良い自分でいなければなりません。
こうして他者から認められるために、
「完璧な自分」
「華やかな自分」
「良い人」
などを演じることになっていきます。
すると、少しでもそのイメージに合わない自分のことは許すことができなくなってしまいます。
例えば、
「完璧な自分」でないと周りから必要としてもらえないと思う人は、自分の小さなミスも許すことができなくなり、常に緊張状態で誰にも弱音を吐くことができなくなっていくかもしれません。
「華やかな自分」でなければ周りに認められないと思う人は、自分の少しの流行遅れも許せず、人気の高級バックを自分の趣味ではないのに次々買い求めることになるかもしれません。
「良い人」でないと周りの人が離れていってしまうと思う人は、自分の意見を主張することが許せず、無茶な要求も断ることができなくなっていくかもしれません。
これでは自分らしく振る舞うことができず、常に気を張っていなければなりませんよね。
他者からの評価が得られた瞬間は、確かに自尊心も補われるかもしれません。
しかし、心の中にはどこか虚しさが残ったり、他者からの評価が得られなかった時には、自分の存在自体が否定されたような大きなショックを受けることになります。
これらが生きづらさの理由と考えられます。
自尊心が低い&プライドが高い人はうつになりやすい?
上記に挙げた状態が続くと、
・自分はダメなところばかりで良い所なんて1つもない
・自分は誰からも必要とされていない
・自分なんかいてもいなくても同じだ
と、自分の存在自体が無価値であるように思えたり、さらに自尊心が低くなってしまいます。
また、自尊心が低くプライドが高い状態の人は、困った時に周りの人に相談することが苦手です。
辛い気持ちになった時、人に相談すると考え方が変化したり視野が広がったり、気持ちが励まされたりすることが多いです。
しかし、自分一人でネガティブな気持ちを抱えると、他のあらゆることもネガティブに見えてきて、悩みが深まってしまうことがあります。
悩みが深まりこのような状態になったら危険信号です。
・一日中気分が沈む日が続く
・以前は楽しかったことや好きなことをしても楽しめない
・消えてしまいたいと繰り返し考える
これらはうつのサインであることもありますから、早めに信頼できる人やカウンセラー、医師に相談することをおすすめします。
さいごに
今回は、自尊心の低さとプライドの高さの関係やその背景にある生きづらさ、そして「うつ」との関連性について、臨床心理士にご紹介いただきました。
最近ではSNSも普及し、
「他人から見られる自分」
「よく見られようとする自分」
などばかり考えてしまい、自分を見失ってしまう…といったことも増えてくると思われます。
同じような見た目、同じような能力や経歴、同じような経験があっても、自尊心の高さは人それぞれ。
見た目や過去の経験自体を変えることができませんが、捉え方を変えたり考え方の癖を見直したりすることで、自尊心を回復していくきっかけを掴みやすくなります。
自分の心の声を肯定的に受け入れることに、罪悪感や不安が出てくることもあるかもしれませんが、臨床心理士などの専門家も時には頼りながら、自尊心を一歩ずつ高めていきましょう。
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- 本記事は2020年8月31日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。