【臨床心理士解説】完璧主義で仕事に支障…生産性を上げる5つの思考法とは?

2023.02.19公開 2024.08.03更新

(質問)完璧主義で仕事が遅くなってしまったり仕事が続かないことが多いです。完璧主義の私でも仕事上の生産性を高めるにはどうしたらいいでしょうか?

 

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優先順位をつける

こだわりのあまり、如何がかかってしまうときには絶対に外せない信念やこだわりたいこと、そこまででもないこと…と優先順位をつけてみることは大切です。

 

絶対に外せないことがあるとすればそこは大切にしつつ、そこまででもないことに関しては達成の基準を下げる、後回しにするなどしてバランスを整えてみるといいですよ。

 

仕事に関しては、優先順位を設けることで、なににどれくらいの比重を置くか、如何をかけられるかなどバランスの調整ができます。

 

仕事が続かないときには、なにが続かなくなる原因なのか、なにがしんどくなる要因なのかを振り返り、仕事をするにあたって大切なこと、優先したいことはなにかを考えてみることも大切です。

 

制限時間を設ける

完璧を目指すあまり時間がかかってしまうことがあるため、「○○までにおわらす」「○○分で切り上げる」などと時間で区切ることも大切です。

 

デッドラインを設けることは、効率性・生産性を高めることも期待できますよ。

 

自分にとって完璧とは言えなくても、全体として仕事が達成されない、継続されないのでは困ってしまいます。

 

完璧は実際存在しないと考えると、完璧を達成することは困難ですので、全体の完成度が100%に満たなくても、

 

「今できる全力をだした」

「今の自分にとって出来る限りを出した」

 

と捉えなおしてみることも大切です。

 

完成度や満足度は100%ではなくて良い

完璧な理想を100%としたら、その合格ラインはどこにできそうでしょうか。

 

内容によりばらつきは生じるでしょうが、80%でも60%でも「完璧ではないけど達成したね」というラインを定めることは、目標を定め達成感を得るためにも大切です。

 

お仕事で言えば、100%満足できるお仕事というのはなかなか巡り合わないものです。

 

自分の中で仕事に絶対に欠かせないものがあるとすればそれは大切にしつつ、そうでもないもの、ある程度は我慢できることに関してはその優先順位をさげてみるといいですね。

 

そうして、全体として、「100%満足ではないけれど、合格ライン(頑張れるライン)は達しているから、良しとしよう」とゆるく捉えなおしてみるのも良いですよ。

 

失敗しても許してあげる

うまくいかないこと、失敗してしまうことはいつでもだれにでも起こりえます。

 

そんなときには「これだけ頑張ったんだ」「頑張ってもうまくいかないこともある」と認めて許してあげることはとても大切です。

 

失敗を認めてあげられないと、自分や人の失敗に敏感になって、許せなかったり、失敗できないとプレッシャーになり、結果的に生産性や効率が落ちてしまいかねません。

 

過度なプレッシャーとなると自分も周囲も行動に制限がかかり、失敗につながりやすくなってしまうこともあります。

 

失敗しても大丈夫。うまくいかないことなんていっぱいある。

 

失敗したら、そこからどんなことができるか、考える。

 

そういった考えを持つことで、気持ちにゆとりができ、結果的に生産性が高まることも少なくありませんよ。

 

休憩時間を設ける

自分がほっと休憩できる時間はありますか?

 

完璧を目指すあまり、そのことに考えがとらわれてしまって、気づいたら気持ちが落ち着く時間が少なくなっているかもしれません。

 

積極的に、生活の中に5~10分でも休憩する時間を取り入れることはとても大切です。

 

ひとつのことにずっと取り組むよりも、休憩をはさみつつ取り組む方が、頭がリフレッシュされて落ち着いて考え直すことが出来たり、効率が上がることが知られています。

 

一つの考えにとらわれていたり、仕事で煮詰まった時などには、一度そのことから意識的に距離を置き、リフレッシュをしてみてください。

 

そうすることで、気持ちも落ち着き切り替えられ、パッと新しい見え方に気づいたり、別の考え方が浮かんでくることもあります。

 

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【参考】

自己に求める完全主義” と抑うつ傾向および絶望感との関係 桜井茂男, 大谷佳子 – 心理学研究, 1997

完全主義傾向をもつ母親の子育て場面における原因帰属・感情・対応 三重野 祥子, 濱口 佳和,2008

完全主義が抑うつに及ぼす影響の二面性: 構造方程式モデルを用いて 小堀修, 丹野義彦 – 性格心理学研究, 2002

「こころの力」の育て方(きずな出版): レジリエンスを引き出す考え方のコツ 大野裕

こころが晴れるノート:うつと不安の認知療法自習帳 大野 裕

ほか、臨床の中での経験と研修による知識によって作成されています

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花井菜美

臨床心理士/公認心理師

心理系大学院修了後、渡米。現地NPOサポート団体に所属し活動をする。帰国後精神科や発達障害児支援施設にて勤務。学生、主婦、子ども、夫婦関係など様々な問題を抱える方の支援を行う。2児の母。

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2023年2月19日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。