アルコール依存症家族に必要な3つの対応とは?再飲酒はどうすれば?【体験談】
目次
アルコール依存症の対応を変えると何が変わる?
では、対応を変えることで、何が変わるのでしょう?
まずは、あなたの苦しみがずっと軽くなります。
それは、アルコール依存症患者を、そして自分自身を、責め続けなくて良くなるから。
怒りを溜めこんだり、相手や自分を責め続けるのって、ものすごくエネルギーを使いますね。
だから、今まで怒ることや責めることに使ってきた、あなたの貴重な時間とエネルギーを、自分自身の回復のために使えるようになります。
そして、あなたがアプローチを変えることで、状況も自ずと変化します。
では、実際にどのような対応をすれば良いのでしょうか。
ここでは、家族の適切な対応を3つ挙げたいと思います。
アルコール依存症家族の適切な3つの対応
お酒を飲む飲まないは本人に任せる
家族の適切な接し方1つめは、お酒を飲む飲まないは、すべて本人に任せて、干渉しないこと。
「でも、放っておいたら、もっとひどくなるのでは?」と心配になるかも知れませんね。
「このままでは大変なことになってしまう!」と心配だったから、今まで必死に頑張ってきたんですものね。
けれど、本人がコントロール出来ないものを、他の人がコントロールできるはずがないのです。
家族には、飲むのを止めさせたり、飲む量を少なくさせる力はないことを、まずよく理解して下さい。(たとえ認めるのが悔しくても!)
では、家族が干渉しなくなることで、どのようなメリットがあるでしょう?
まずは、今まで見張ることに使っていた多大なエネルギーと時間ができます。
それを、自助グループや家族教室などに通うなど、自分自身の回復に使うことができます。
また、干渉や監視をされなくなったアルコール依存症患者の状態が、良くなることもあります。
家族の干渉や監視に腹を立てたり、敵対する必要がなくなるからです。
そもそも、干渉されたり監視されて、モチベーションが上がる人はいませんね(笑)
飲酒の理由に振り回されない
適切な対応の2つめは、飲酒の理由に振りまわされないこと。
飲酒が原因で、次から次へと問題が起きているのに、アルコール依存症患者は、どうして飲み続けるのでしょうね?
「仕事のストレスがあるから」
「家族の態度が悪いから」
「心配事があるから」
アルコール依存症患者本人から、そんな理由を言われたかも知れません。
でもね、違います。
こういう理由があったから飲んだのではなく、飲んだことを正当化するために理由を考え出すのです。
本当の理由は、ただひとつ。
病気だから。
なので、「これさえなければ、飲まないでいてくれる」と思って、本人の言う理由を、あなたがなくそうと努力する必要はありません。
お酒が入った時の言動は、病気によるもの。
あなたはすごく傷ついたかも知れません。恨みたくなったかも知れません。
でも、それは「あなたに対して」しているのではなく、「あなたがいるにも関わらず」していることなんです。
その人はたまたまアルコール依存症という病気になり、苦しんでいる。
そして、あなたもちょうどそこにいた、ということなんです。
病気だからと言われて、完全に納得はいかなくても、少しは楽になるのではないでしょうか。
まずはあなたが楽になることが大事なのです。
病気の時と健康な時の言葉を見分ける
3つめは、病気の言葉と健康な言葉を見分けること。
アルコール依存症は、心の病気でもあります。
比較的心の落ち着いた状態の時と、病的な状態の時とがあります。
そのため、涙を流して断酒を誓ったかと思うと、「酒を飲んで死ねるなら本望だ」「自分の金で飲んで何が悪い」と平然と豪語したりするのです。
これはそれぞれ健康な心と病気の心が表に出ているんですね。
健康な心と病気の心の区別ができていないと、家族は二重人格ではないかと理解に苦しみ、振り回されて疲弊してしまいます。
病気の心から出ている言動は、病気がそうさせているのであって、その人本来の性格ではありません。
また、飲酒していない時でも病的な症状が出ることがありますので、飲んでいる時と飲んでいない時とだけで区別しないで下さいね。
病気の心からの言動は、まともに受け取る必要はなく(ただ、バカにした態度を取るべきでもありませんね)、その時は病気の症状が出ているのだと受け止めて下さい。
さいごに
以上、家族の適切な対応を3つ挙げました。
アルコール依存症患者に対する適切な対応を考える時、その前提となり、最も重要なのは、アルコール依存症は病気だと知ることです。
アルコール依存症が病気だと認識していないために、また、どういう病気なのかを理解していないために、本人も家族も、必要以上に苦しんでいることが多いのです。
アルコール依存症患者も、好き好んで病気になったわけではありません。
わざわざ病気になることを選ぶ人なんていませんから。
アルコール依存症が病気であり、目の前の人は病気で苦しんでいる病人だという視点を持つと、自ずと対応も変わってくるのではないでしょうか。
家族が見方を変え、対応を改めると、アルコール依存症患者にも何かしら変化が現れると思います。
まずは、自分自身が少しでも楽になるように、上に挙げた対応を心がけてみて下さいね。
アルコール依存症家族の体験談一覧
・アルコール依存症で家族が崩壊…家族を救った3つのきっかけとは?
・アルコール依存症家族に必要な3つの対応とは?再飲酒はどうすれば?
・【アルコール依存症家族】見捨てる前に活用したい相談先・支援先6選
- 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
- 本記事は2018年4月23日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。