うつで仕事復帰…不安の対処法・タイミング・注意点とは?精神保健福祉士が解説
うつの職場復帰…不安への対処法
出社時間をずらしたり時短勤務から始める
休職前と同じように働くことができるか、誰しも不安になります。
そして、復職してすぐに朝から夕方まで働ける方はとても少ないです。
フルタイムで働く体力は急には戻りません。また、うつ病の症状には朝起きることが難しくなるというものもあります。
・出社時間を1時間ずらす
・時短勤務にする
など、職場で取れる方法を前もって話し合いましょう。
仕事復帰前に職場に顔を出してみる
うつに限らず、長く仕事を休んでしまったときは、復職前に職場に顔を出してみることをおすすめします。
休職中は仕事に穴をあけてしまったことが気になりますが、誰かがフォローできるようになっていることが大半です。
実際に職場に行ってみると「たいしたことなかったな。」と感じることが多いと思います。
2週間~1ヵ月おきに職場で振り返りを
病院に通い始めたころを覚えていますか?
薬の量を変えたり、通院頻度を変えたり、いろんな調整をしてきたと思います。
復職の仕方や働き方についても同じです。
2週間~1ヵ月おきに職場で振り返り、調整していくことが大切です。
再発したように感じれば、もう少し休養が必要なのかもしれません。
自分でできるリフレッシュを
自律神経を整えるのに、瞑想が有効だとされています。
不安な気持ちが渦巻いているとき、自分の意識は現実に向かっていません。
漠然とした不安感に包まれ、現実感が遠のいていってしまうのです。
目を閉じて深呼吸をし、「今息を吸っている」「吐いている」ことを意識しましょう。
だんだん「気温が高いな」「周りの声がにぎやかだな」と五感で感じられるほうに意識をシフトしていくと、内側にあった不安感から離れることができます。
その他、保冷剤を手や首にあてて「冷たいな」という感覚に集中することもおすすめです。
いずれもポイントは不安感から離れて、現実的な感覚に身を寄せていくことです。
うつで仕事復帰のタイミングは?
いつまで休養したら仕事に復帰していいのか…と悩むこともあると思います。
元の職場に戻る場合と新しい仕事を始める場合の2つについて、考えていきましょう。
傷病手当金の支給期限が終了する手前
ひとつのタイミングは傷病手当金の支給期限が終了する手前です。
休職が長くなり、1年を超えるときは、そこから半年以内に復職できるかどうかを主治医と相談してみましょう。
業務内容を伝えて、医師が了承すれば復職時期に見通しを立てられます。
また、元の職場に戻るときには、以前の自分の仕事ぶりについて会社が理解しているというメリットがあります。
自分のことをよく知っている上司もいるかもしれません。
職場に連絡して、どの業務に復帰できるかよく相談してみると「これならできそうだな」というものを提案してもらえると思います。
最初は「楽にこなせそう」と感じるものだけをやるくらいの気持ちで、職場の人と一緒に検討してみましょう。
転職活動は休職期間の満了期から
新しい職場で働くときも、休職期間の満了期が転職活動を始めるタイミングです。
就職活動は、とても体力を使うので主治医とよく相談して開始の時期を決めましょう。
「休養していても体力が有り余る」
「暇だから少し働きたい」
と感じるくらいが、活動を始めやすいときです。
うつで仕事復帰する際の注意点
仕事に復帰する際、一番気を付けたいのが「死んでしまいたい気持ち」のコントロールです。
症状が回復しきっていないのに、復職時期が近づいてきて「いっそのこと死んでしまおう」と追い詰められる人は少なくありません。
仕事への復帰は絶対に必要なものではなく、のばしても諦めてもよいということを心に留めていただきたいと思います。
また、復帰時期や金銭面について、ひとりきりで解決する必要はありません。
家族や公的機関など、頼れるところに助けを求めましょう。
さいごに
うつでの仕事復帰について述べてきましたが、すべてを投げうって仕事をする必要はありません。
復職について考えるときが来たら、「仕事は人生の一部にすぎない」ということを思い出してください。
健康に、毎日幸せに生きることが一番大切です。
職場復帰することも、休養を続けることも自分の自由であることを忘れずにいて欲しいです。
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- 本記事は2018年7月3日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。