【大人の発達障害】仕事上での特徴とは?9の事例から精神保健福祉士が解説
仕事をしていて「あれ?この人、何か、普通の人とちょっと違う…」と感じたことはありませんか?
専門知識は誰よりも詳しいのに、コミュニケーションが苦手だったり、人並み外れた行動力なのに、片付けが苦手でいつも探しものをしていたり…。
それは、もしかすると「発達障害」が原因かも知れません。
そこで今回は、発達障害の人の仕事上の特徴について見ていきましょう。
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大人の発達障害とは?定義・原因・治療法など
平成27年に改正された発達障害者支援法では、「発達障害」とは
「発達障害(自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害など の脳機能の障害で、通常低年齢で発現する障害)がある者であって、発達障害及び社会的障壁により日常生活または 社会生活に制限を受けるもの」
と定義されています。
発達障害自体は先天的な脳の特性で、普通の人が難なくできることが極端に苦手…と困ることもありますが、その代わりに圧倒的な特技を持つ人もおり、優れた点もあります。
バランスの良い普通の人と比べると、得意不得意の凸凹が激しいという特性なのですが、従来の社会が、このようなアンバランスな特性を持つ方を意識した制度設計になっておらず、環境面の不備により、生きづらい状態に陥ることがあります。
以前から、このような特性を持つ方は大勢いましたが、発達障害者支援法が制定されて以降、気づかれないまま成長した大人の発達障害の方の生きづらさも注目されるようになってきました。
発達障害の治療は、不安や衝動を抑えるお薬を処方されることもありますが、自分の特徴を、まずは自分自身でよく理解し、周囲の方々の理解と協力を得ながら、環境を調整していくケースワークが基本となります。
以下にその例を解説していきます。
広汎性発達障害(自閉症・アスペルガー症候群等)の仕事上の特徴
1.ルーティンワークが得意
広汎性発達障害の特性をもつ方は、毎日同じ時間に、同じ電車の、同じ車両に乗って、同じ手順で、同じ仕事を黙々とこなす…といった型にはまったルーティンワークを得意とする方が多いです。
普通の人が飽きてしまうような、延々と数字が続く型番のチェック等、数字や記号を扱う仕事も得意な方が多いです。
一度、手順を理解すると、とても素直に真面目にその業務を黙々とこなして下さいます。また時間を気にして守る方が多いです。
一方で、想定外の出来事が起こると、大パニックになってしまうこともあります。
突然、計画が変更になったり、誰かの代わりにいつもと違う業務を頼まれたりといった場合です。
一般の人よりも、変化に弱いという特徴がありますので、いつもと違うことが起きた場合は、どう対応するか?といったマニュアルを予め作っておくことが、パニックの予防に役立ちます。
2.専門知識は誰にも負けない
広汎性発達障害の特性をもつ方は、興味の幅は狭いものの、何かに興味を持つと、類まれな集中力と記憶力を発揮して、その分野では誰にも負けない専門知識を身につけてしまう方がいます。
興味関心を持ったものに対して、調べること、覚えることが大好きで、過集中なほど、のめりこみます。職場では、その分野でとても頼りになります。
その代わり、興味が無いことに関しては、全く関心を示さない方もおり、その知識のギャップに驚かされることもあります。
3.コミュニケーションが苦手
広汎性発達障害の特性をもつ方は、コミュニケーションが苦手と言われています。
相手の言葉や表情、状況等からその意図を深く理解せず、表面的に理解してしまう方がいます。
例えば、「お店が混雑してたら手伝ってきて」という意味で「お店の様子見てきて」と伝えると、素直に「見てきました」と戻ってきてしまうような方もいます。
このような特質があることを踏まえた上で、仕事を頼むときは、わかりやすく、具体的に伝えていくことも大切です。
- 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
- 本記事は2018年10月25日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。