発達障害で仕事が遅い…克服する3つの工夫と注意点は?臨床心理士が解説

2018.11.06公開 2019.05.16更新

上司から「仕事が遅い」と指摘されたり、怒られることはありますか?

 

自分では精一杯やっているつもりでも、周囲から指摘されてしまうとショックが大きいものです。

 

自分なりに工夫したり考えた結果でも、上司の意向で「仕事が遅い」と一方的に叱責されて、腹が立つことさえあるかもしれません。

 

発達障害で悩んでいる方はたくさんらっしゃいますが、自分の特徴自体より、職場での人間関係に悩んでるケースの方が多いです。

 

人間関係に悩む場合、上司や同僚が期待するものと、自分の特徴との相性から来ているケースがほとんどです。

 

ではなぜ、自分ばかり怒られるのでしょうか。

 

発達障害の特徴と関係しているので、詳しく解説していきます。

 

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発達障害で仕事が遅くなる3つの原因とは?

マイペースなところ

発達障害の方には、「自分のペースを持っている」という特徴があります。

 

自分のペースというのは、段取りと自分ルールに分けられます。

 

段取りというのは、

「だいたいこのくらいの時期までにこれくらいまで仕上げればいいな。締め切りはここだから十分だろう」

といったものです。

 

自分ルールというのは、

「仕事には15分前につけばいい」

「10分までは遅刻に入らない」

といった、気づかないうちに自分で設定した自分のルールです。

 

自分の基準なので何も違和感はありませんが、はじめて就職して社会のルールの中で仕事をすると、自分のペースと社会が求めるペースにずれが生じる場合があります。

 

コミュニケーション不足

発達障害の方には、「コミュニケーションが苦手」という特徴があります。

 

コミュニケーション自体に苦手意識を持っていたり、コミュニケーション自体の重要性を感じられない場合もあります。

 

仕事では、職員同士コミュニケーションを取り合うことで相互に理解を深めます。

 

自分がどんな状況で仕事をしているのか、やむを得ない事情で仕事のペースが遅くなったか、言語化しないと相手には伝わりません。

 

コミュニケーション不足が原因で、「仕事が遅い」と思われてしまうことも多いのです。

 

優先順位をつけるのが苦手

発達障害の方には「優先順位をつけるのが苦手」という特徴があります。

 

これは新しい課題に対して多いことです。慣れてきたら、うまくヒントを見つけて対処できるようになります。

 

自分なりの優先順位を考えて、仕事を進めても、上司の考える優先順位とは違っていた場合は、「なぜこの仕事が終わってないんだ」「仕事が遅い」と指摘されてしまいます。

 

 

発達障害で仕事の遅さを克服する3つの工夫とは?

相手が何を期待しているか把握する

周囲の人とコミュニケーションを取ることで自分の特徴を知ってもらったり、上司がどんな考えをもって、何を望んでいるのか相互理解を進めることができます。

 

相互理解が進むと、それぞれが期待していることのズレが小さくなり、「仕事が遅い」と思われる前に仕事の軌道修正ができます。

 

自分が快適に仕事をするためにも、ある程度のコミュニケーションは必要です。

 

仕事の期日を一覧にし目に入る所に置いておく

期日がある仕事は要注意です。

 

それぞれの締め切り日を一覧にして意識できるようにすると良いです。

 

締め切り日だけを記載するのではなく、

「〇〇日までに企画書」

「〇〇日までに納品」

仕事を進めるペース配分も管理できると尚良しです。

 

また、はじめての仕事の時は、自分ひとりでペースを決めず、上司の確認を取ることをおすすめします。

 

一日の始まりにその日にやることの優先順位をつける

朝、出勤したとき、今日一日でどんなことをやらなきゃいけないのか書き出します。

 

その中で優先順位が高い順番に番号をふります。

 

番号の振り方が分からない場合は誰かに聞いてみると良いと思います。

 

もし、一日のタスクにない仕事を依頼された場合は、その優先度合いを依頼して来た人に聞いてみましょう。

 

急に頼んできた仕事でも、急ぎの仕事とは限らないです。

 

 

工夫するときの注意点は?

上記のような工夫を実践してみても、仕事が遅いと指摘されることがあるかもしれないです。

 

そんな時は、上司が自分に期待している仕事のペースと自分の仕事のペースにずれ大きい状態です。

 

発達障害の方は環境の変化が苦手です。新しい仕事に慣れるのに時間がかかります。

 

仕事に慣れてくると、ペースは上がりますし、他の人よりも着実にこなせるようになる場合が多いです。

 

自分の特性を上司の方と話し合ってみるのも良いかもしれません。

 

上司の方がなかなか分かってくれない場合は、産業カウンセラーや人事などと相談し、間に入ってもらう、または発達障害専門医からアドバイスをもらうのも有効です。

 

 

さいごに

自分の特性を理解し、特性に合わせた対処法を考えることで仕事のしやすさ、生活のしやすさはぐっと上がります。

 

生きづらい世の中に苦しみ続ける必要はないです。

 

自分ひとりで考えることが大変な場合は、周囲の人に相談し、アドバイスを聞くこともおすすめします。

 

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石上友梨

臨床心理士

大学・大学院と心理学を学び警視庁に入庁。5万人の職員のメンタルヘルスを管理し、カウンセリングや心理検査、メンタルヘルス講義、拳銃選手のメンタルトレーニングなど幅広く活動。6年目で退職し、フリーランスに。発達障害を支援する活動に力を入れている。‬>>HPはこちら

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