発達障害で仕事を辞めたいほど辛い…支援機関や相談先は?臨床心理士が解説
発達障害の特性と職場環境が合わない場合、その辛さは計り知れないものです。
仕事を辞めたいほど辛いと、日曜の夜は特に憂鬱です。
明日から1週間が始まると思うとなかなか寝付けなかったり、仕事のことをぐるぐると考えてしまいます。
職場環境は、仕事の内容や人間関係など、さまざまな要素を含みます。
発達障害傾向のない人には分かってもらえないし、なんでこんなに生きるのは大変なんだろうと絶望したり、自信がなくなってしまいます。
「辛くてもう耐えられない」と、職場に辞職願を出す前に、一度今回の記事を読んでいただければと思います。
仕事を辞めて将来への不安が大きくなる前に対策を練りましょう。
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仕事を辞める前に考えたいこと
職場の休職制度を調べる
仕事が辛いあまり、二次障害としてうつ状態になっていることがあります。
二次障害とは、発達障害の特性がきっかけとなり、二次的にうつ状態になっている状態です。
・眠れない
・落ち込みが続く
・体が動かない
など、うつの症状がある際は注意が必要です。
大抵の職場には、職員が病気になった場合の休職制度があります。
辛いあまりに仕事ができないときは、職場にどんな休職制度があるか確認してみると良いでしょう。
休職制度以外にも、時短勤務や超過勤務や夜間勤務を制限する制度があるかもしれません。
医療機関にかかる
休職制度を利用する場合は、大抵は医療機関を受診し、医者に診断してもらう必要があります。
発達障害か診断してもらうことも大切ですが、カウンセリングなどで上手に生きる方法を相談することは、今後自分の特性と付き合っていく上で大いに役立ちます。
ちなみに、仕事が辛すぎて、二次障害としてうつ状態になっている場合はうつ状態の治療が先になります。
自己理解を深める
自分にはどんな特性があるのか。
どんなことが好きで、どんなことが向いているのか。
得意なこと、苦手なことは何か。
自己理解を深めていく必要がありますが、自分ひとりで考えるよりは、客観的にみた他人の意見を聞いたり、心理検査を受けたり、いろんな角度から情報を集めます。
自己理解を深めないと、次の仕事選びで失敗してしまう可能性があります。
発達障害の方は、職場環境でストレス度が大きく変わります。
ストレスが強くなると、自分のマイナスの特性が前面に出やすいため、さらに職場環境が悪くなるという悪循環に入ります。
仕事を辞めたい時の支援や相談先は?
発達障害専門医
診断をして欲しいときなど、発達障害に詳しい専門医に相談することをおすすめします。
経験豊富な先生なら自分にあった対処法など、適切に指示してくださいます。
発達障害者支援センター
各都道府県に設置されている発達障害者支援センターでは、本人や家族からの相談を受け付けています。
必要な場合は医療機関への紹介もやっていますので、いきなり病院に行くことがハードルが高いと感じる場合はまずは相談してみると良いでしょう。
一般的な精神科・心療内科
発達障害の診断ができない病院でも、二次的にうつ状態になった際のうつの治療や、専門医への紹介等相談に乗ってもらえます。
発達障害専門の病院はどこも混み合っており、なかなか予約が取れません。
まずは近くの精神科・心療内科を受診する方法もあります。
仕事を辞めた後の支援や相談先は?
発達障害者支援センター
発達障害者支援センターは、発達障害者への支援を総合的に行うことを目的とした専門的機関です。
発達障害者とその家族が豊かな地域生活を送れるように、保健、医療、福祉、教育、労働などの関係機関と連携し、地域における総合的な支援ネットワークを構築しながら、発達障害者とその家族からのさまざまな相談に応じ、指導と助言を行っています。
今後の就労に向けて、ハローワーク等の労働関係機関と連携して就職に関する情報を提供してくれます。
地域障害者職業センター
地域障害者職業センターでは、障害者に対する専門的な職業リハビリテーションサービス、事業主に対する障害者の雇用管理に関する相談・援助、地域の関係機関に対する助言・援助を実施しています。
地域若者サポートステーション
地域若者サポートステーションとは、働く意欲がある若者たちとじっくりと向き合い、本人やご家族の方々だけでは解決が難しい「働き出す力」を引き出し、「職場定着するまで」を全面的にバックアップする支援機関です。
対象年齢は15歳から39歳になります。
さいごに
辛い状況の真っただ中にいるとき、自分ひとりではどうしていいのか、どうやったらここから抜け出せるのか分からなくなってしまいます。
そんな時はぜひ誰かに相談してみてください。
現在は発達障害を抱える方を支援する機関や相談を受け付けている機関はたくさんあります。
自分にあった職場を見つけ、自分の得意なところを存分に発揮するためにも、まずは一歩踏み出して相談してみましょう。
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- 本記事は2018年11月13日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。