精神障害者の就職が難しい3つのケースとは?就職先・支援を精神保健福祉士が解説

2018.11.20公開 2019.05.16更新

精神障害者の方の就職って難しそうなイメージがあるかもしれません。

 

精神障害者でも働けるの?雇ってくれる会社はあるの?疑問や不安は尽きないかと思います。

 

ここでは、精神障害者の方の就職についてお話していきます。

 

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精神障害者の就職が難しい背景

では、なぜ精神障害者の方の就職が難しいのでしょうか?

 

背景として以下の3つが考えられます。

・仕事の負担が大きい

・人間関係が上手くいかない

・ストレスを溜め込んでしまい、体調を崩してしまう

これらについて一つ一つお話していきます。

 

仕事の負担が大きい

仕事がその人の能力、体調に合っていない場合があります。

 

人から頼まれると断れない性格の人や、ついつい頑張りすぎてしまう性格の人が多いため、無理して体調を崩してしまう場合があります。

 

人間関係が上手くいかない

人間関係が原因で精神障害になった方も多いと思います。

 

そういった理由で人と関わることが苦手であったり、人とのコミュニケーションが上手く取れなかったりすることで就職が難しいという背景があります。

 

ストレスを溜め込んでしまい、体調を崩してしまう

精神障害者の方には、悩みやストレスを自分一人で抱え込んでしまう性格の人が多いです。

 

その結果、問題に上手く対応できず、何かしらの症状が出てしまい体調を崩してしまうことがあります。

 

 

精神障害者の就職率・推移は?

実際、精神障害者の方で働いている人はどのくらいいるのでしょうか?

 

平成27年厚労省は、ハローワークを通じて就職した精神障害者の就職率を47.7%と発表しています。

 

また、平成22年より毎年就職率が上昇している結果も出ています。

 

このことから年々、就職する人が増えていることがわかりますね。

 

精神障害者の就職先として多いのは?

精神障害者の方の就職先としてはどのようなものが多いのでしょうか?

・事務的職業

・運搬・清掃・包装等の職業

・生産工程の職

・サービス業の職業

・専門的・技術的職業

いずれの仕事もチームワークでやる仕事というよりは一人で黙々と作業をするものが多いです。

 

やはり、精神障害者の方はこういった仕事を就職先として選ぶことが多いのでしょう。

 

また、自分にとって働きやすい職場を選ぶことで長く続けていくことも可能になっていきますよね。

 

 

精神障害者の就職支援ってどんなものがある?

精神障害者の方の就労支援について紹介します。

 

支援機関として以下が挙げられます。

・障害者就労継続支援A型(B型)事業所

・障害者就労移行支援事業所

・障害者職業センター

・障害者就業・生活支援センター

就労継続支援B型は、雇用契約を結ばずに就労訓練をします。

 

これらの事業所・支援機関は、就労のために必要な訓練や就職のサポートをしてくれます。

 

就職後も定期的な面談等、就労の定着支援をしてくれます。

 

また、会社や家族と連携してサポートをしてくれます。

 

【関連記事】

>>就労移行支援とは?期間・対象者・利用料を精神保健福祉士が解説

 

職場適応援助者

こちらは訪問型と企業在籍型があり、就労後のサポートをしてくれます。

 

こちらも上記の支援機関と同様に、会社や家族と連携してサポートをしてくれます。

 

障害者職業センターの場合は、配置型ジョブコーチとしてサポートしてくれます。

 

 

さいごに

精神障害者の就労は難しい印象があります。

 

しかし、様々な支援機関や制度があり、それらを利用することで障害があっても働き続けることが可能です。

 

もし、あなたが働きたいと思っているのなら、一人で悩まずに、こういった支援を利用してみるのはいかがでしょうか?

 

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中川里沙

精神保健福祉士 訪問型職場適応援助者 認定心理士

心理学の大学を卒業後、精神保健福祉士養成の専門学校に通い、精神保健福祉士を取得。障害者就労継続支援B型事業所の支援員として障害者の就労支援に関わる。その後、NPO法人の訪問型職場適応援助者(ジョブコーチ)として精神障害者を中心に就労支援を行う。

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2018年11月20日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。