うつの転職、クローズで大丈夫?メリットやリスクは?精神保健福祉士が解説

2018.11.19公開 2019.05.16更新

転職をするときにうつ病を隠すか隠さないか迷いますよね。

 

どちらがいいのか、難しい問題です。

 

ここでは、クローズ就労したときのメリットやリスクについてお話していきます。

 

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うつ病で転職。クローズ?オープン?3つのポイント

まず、クローズ就労とオープン就労の判断のポイントについて整理します。

 

障害者雇用をしている会社→オープン

障害者雇用を行っている会社では障害者枠で就職できるため、そういった場合はオープン就労することになります。

 

ハローワークの障害者専門窓口→オープン

ハローワークで求人を探す際、障害者専門窓口を利用した場合は障害者雇用と同じでオープン就労になります。

 

それ以外の一般就労→クローズorオープン

一般就労の場合は、クローズ就労かオープン就労か自己判断になります。

 

 

クローズで転職する場合のメリット

クローズで転職する場合のメリットについて以下が挙げられます。

・採用されやすい

・職場内の人に知られない、偏見がない

・障害者枠で働くよりも賃金が高い可能性がある

これら一つ一つについて詳しくお話していきます。

 

採用されやすい

転職活動時にうつ病を打ち明けることで、会社の求める能力に合っていないと判断された場合は採用されない可能性があります。

 

そのため、うつ病を隠すことでそういった可能性は低くなるでしょう。

 

職場内の人に知られない、偏見がない

会社がうつ病であることを知っていると、過剰に心配されることや腫れ物に触るかのような扱いを受ける可能性があります。

 

うつ病を隠すことで健常者として扱われるため、そういった可能性は低くなるでしょう。

 

障害者枠で働くよりも賃金が高い可能性がある

障害者枠だと必ずしも賃金が低いというわけではありませんが、一般就労でクローズ就労した場合、賃金が高い仕事を選ぶことが可能です。

 

 

クローズで転職する場合のリスク

次に、クローズで就労する場合のリスクについてお話していきます。

 

リスクについて以下が挙げられます。

・症状が出たときなど仕事が続かない可能性

・症状の悪化、再発

・隠し続ける働きにくさ

症状が出たときなど仕事が続かない可能性

働き始めてからうつ病の症状が出た場合、あなたが行きたいタイミングで通院することが難しい場合や、簡単に仕事を休むことができない場合があります。

 

そういった時に仕事を続けるのが難しく、退職に繋がってしまうケースがあります。

 

症状の悪化、再発

もし、ストレスやあなたの負担が大きくなっても、うつ病を隠しているため周りにそれを伝えることが難しくなります。

 

その結果、うつ病の症状が悪化、または再発してしまう可能性が高くなります。

 

隠し続ける働きにくさ

周囲の人はあなたがうつ病であることを知らないが故に、厳しくあるいは冷たく接する場合があります。

 

そういった場面が出てくると「働きにくさ」を感じるかもしれません。

 

また、うつ病を隠し通さなければならないことも「働きにくさ」に繋がってきます。

 

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中川里沙

精神保健福祉士 訪問型職場適応援助者 認定心理士

心理学の大学を卒業後、精神保健福祉士養成の専門学校に通い、精神保健福祉士を取得。障害者就労継続支援B型事業所の支援員として障害者の就労支援に関わる。その後、NPO法人の訪問型職場適応援助者(ジョブコーチ)として精神障害者を中心に就労支援を行う。

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2018年11月19日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。