認知行動療法の発達障害への効果のエビデンスとは?臨床心理士が解説

2019.01.31公開 2019.05.16更新

ADHD重症度と不注意症状などを軽減

例えば、ニューヨークのマウントサイナイ医療センターで開発されたADHDの方に向けた認知行動療法プログラムがあります。

 

認知行動療法のプログラム内容として、ADHDの方が困難を感じやすい、

・時間管理

・整理整頓

・計画立案

・未来志向

について構成されています。

 

このプログラムに基づいたマウントサイナイ医療センターでの研究結果は、

ADHD重症度と不注意症状や実行機能不全を軽減した

という結果が示されたそうです。

 

薬物療法を受けているかは関係なく、効果があったようです。他にも海外ではたくさんの研究結果が発表されています。

 

個人で認知行動療法を受ける場合や、グループで受ける場合は関係なく、薬物療法が存在する存在しないは関係なく、ADHDの不注意症状や、時間管理や整理整頓、計画性についての困難さを軽減するのに役立ちました。

 

また、二次障害として、併存する不安や抑うつの症状の緩和への効果も示されています。

 

 

認知行動療法に取り組むには?

認知行動療法に取り組むために、現在はさまざまな選択肢があります。

 

しかし、認知行動療法に取り組める機関はたくさんあっても、発達障害に特化したものはほとんどないかと思います。

 

しかし、発達障害の方が一般的な認知行動療法を学ぶことにも大きな意味があります。

 

認知行動療法は、自分の思考のクセを知ったり、物事をより多面的に見えるようにして、考え方の柔軟性を高めるので、生きづらさの軽減やストレス対処力に高い効果があるからです。

 

病院などの医療機関

まずは、病院などの医療機関で取り組む方法です。

 

認知行動療法も対応可能な医療機関は増えていますが、地域によってはまだまだ少ないかもしれません。

 

メリットは、医療機関で認知行動療法を受けることで、保険適用となる可能性もあります。

 

デメリットは、すでに主治医の先生がいて認知行動療法に対応していない場合は、転院が必要となる可能性があることです。

 

認知行動療法専門機関

認知行動療法に特化した専門機関で取り組む方法です。

 

東京ですと、東京認知行動療法センターが有名なところかと思います。メリットは、認知行動療法の専門家が集まっており、ケースの数も多いため、質の高い心理療法を受けられる可能性が高いです。

 

デメリットは、保険適用外だったり、認知行動療法専門機関の数が全国に少ない点があげられます。

 

自分自身で取り組む

最後は自分自身で取り組む方法です。現在は認知行動療法のワークブックが出版されています。

 

良く読まれているものとして、大野裕先生の『こころが晴れるノート』などがあります。

 

うつと不安に焦点をあてた認知療法と記載がありますが、内容的には行動面も含まれていて、コラム法なども記載されています。

 

メリットは、ワークブックは安価なので金銭的なコストがかからないことです。

 

デメリットは、疑問があったときにカウンセラーに質問できない、やる気がないと続かないなどがあげられます。

 

 

さいごに

今回は認知行動療法の発達障害への効果のエビデンスを中心にお伝えしました。

 

認知行動療法はうつ状態や不安に効果があるのはもちろん、再発予防へも大きな効果が認められています。

 

しかし、人の考え方や行動パターンなど、自分のクセを変えるのは大変なことです。

 

即効性はないので、すぐに変化がないからと諦めてしまう方もたくさんいます。

 

人の考え方が変化するのは最低で2~3ヶ月とも言われます。

 

認知行動療法もコツコツと続けることが大切になります。

 

カウンセラーなど専門家と一緒にやった方が続けられるのか、

ひとりで自分のペースで取り組んだ方が続けられるのか、

 

自分に合った方法を見つけて、ぜひ取り組んでいただければと思います。

 

【関連記事】

>>認知行動療法の効果とは?期間や効果ないケースは?臨床心理士が解説

>>認知行動療法を自分でやる7つの方法!ノート活用術を臨床心理士が解説

>>自動思考が止まらない…コントロールする4つのコツとは?臨床心理士が解説

>>認知の歪みの10項目とは?傾向と対策を事例で臨床心理士が解説

 

【参考】

ADHD治療システムの中の薬物療法,その意義と限界(齊藤万比古 国立国際医療センター国府台病院)

エビデンスにもとづいた発達障害支援 : 応用行動分析学の貢献(<特集>エビデンスに基づいた発達障害支援の最先端)山本 淳一, 澁谷 尚樹

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石上友梨

臨床心理士

大学・大学院と心理学を学び警視庁に入庁。5万人の職員のメンタルヘルスを管理し、カウンセリングや心理検査、メンタルヘルス講義、拳銃選手のメンタルトレーニングなど幅広く活動。6年目で退職し、フリーランスに。発達障害を支援する活動に力を入れている。‬>>HPはこちら

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2019年1月31日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。

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