罪悪感の不安を消すための3つのカウンセリング活用術を臨床心理士が解説

2019.04.28公開 2019.05.16更新

罪悪感・強い不安へのセルフケア3選

強い不安を不快に感じる方も多いと思います。

 

不安は身体症状との関連も強く、不安を感じたときに、

・呼吸が浅くなったり、

・ドキドキしたり、

・手汗をかいたり、

・めまいがしたり、

と身体的な変化を伴い苦痛を感じやすいものです。

 

不安を感じ、呼吸が浅くなると、過呼吸などのきっかけにもつながります。

 

それでは、強い不安を感じた場合に有効な対処法を紹介します。

 

1.不安を仕分けする

不安は「解消できる不安」と「解消できない不安」があります。

 

先ほど、不安は「安全ではない」「準備不足」のサインとお伝えしました。

 

準備不足の不安は準備することで小さくなります。

 

例えば、「インドに行くけど、空港から無事ホテルまでたどり着けるかな」という不安を感じたとします。

 

それは、ホテルまでの交通手段を調べる、タクシーを手配するなど、準備することで不安が小さくなります。

 

また、現在、過去、未来と仕分けする方法もあります。

 

過去と未来は私たちは操作できないものです。いま対処できるのは現在だけです。

 

現在の安全は対処できるけど、過去の安全や未来の安全は対処できないです。

 

仕分けていく際は、脳内でやらず、紙に書き出して「外在化する」のがおすすめです。

 

2.不安を外に出す

感じるしかない不安、解消できない不安は外に出すことがポイントです。

 

不安は頭の中に入れておくと、どんどん大きくなります。

 

不安は人に話すことで縮みます。特に、身近な人に話すのが有効です。

 

たとえば、新しいプロジェクトが不安な場合は、職場の同僚やプロジェクト仲間など、近い立場の方に話すことをおすすめします。

 

なかなか話す相手がいない場合は、

・ノートに書く

・文字にする

という方法も有効です。交換日記を書いてるように、ノートに不安な気持ちを書きましょう。

 

3.マインドフルネス瞑想をする

マインドフルネス瞑想は、脳の構造を変化させることがMRIを使った研究でわかっています。

 

不安やストレスと関係する脳の部位「扁桃体」を変化させる結果も出ています。

 

また、瞑想中の腹式呼吸は副交感神経を高め、気持ちを落ち着かせることにも有効です。

 

腹式呼吸がなかなか出来ない方、お腹に空気を入れる感覚が分かりづらい方は、ベットに仰向けになり、お腹に手を当てると分かりやすいと思います。

 

それではマインドフルネス瞑想方法を紹介します。

1.まず、楽な姿勢で座り、軽く目をつむり、呼吸に意識を向けます。

 

2.呼吸は、鼻から息を吸って、細く長く吐き出します。

 

3.その際は、吸う方ではなく、吐く方を長く意識します。

 

4.空気が体の中を通過する感覚や、お腹が膨らむ感覚に意識を向けます。

途中でいろんな考えや気持ちが浮かんできても、良い悪いと判断せず、そのまま

「〜という考え」が浮かんだな

と気づき、呼吸に意識を戻して行きます。これを繰り返してみましょう。

 

【関連記事】

>>1日15分!マインドフルネスのやり方・簡単呼吸法とは?臨床心理士が解説

 

 

カウンセリングの3つの活用ポイント

不安への対処を自分でやってみて、うまく行かない場合もあると思います。

 

今まで苦しんできた不安に、自分一人で対処するのはなかなか大変なことです。

 

そんな時はカウンセリングも有効です。

 

1.不安な気持ちを話す相手として活用する

不安な気持ちは外に出すことで小さくなります。

 

しかし、立場や性格的に、不安な気持ちを身近な人に話すのは抵抗ある方も多いかと思います。

 

そんなときにカウンセリングを利用し、カウンセラーに話してみる方法も有効です。

 

2.不安への具体的な対処法を聞いてみる

「自分にあった方法はないかな?」とカウンセリングで相談する方法もあります。

 

不安への対処法は人それぞれです。

 

どれが有効かは人によって異なります。自分に合った方法をカウンセリングで相談してみるのもおすすめです。

 

3.不安と自動思考の関連を探ってみる

考え方の癖やパターンである自動思考は気持ちに大きな影響を与えます。

 

自動思考のせいで不安な気持ちが大きくなっている場合は、認知行動療法に取り組む方法もあります。

 

認知行動療法は、一人でやるのも難しいなという方が多いので、カウンセリングで取り組むのもおすすめです。

 

【関連記事】

>>自動思考が止まらない…コントロールする4つのコツとは?臨床心理士が解説

>>認知行動療法の効果とは?期間や効果ないケースは?臨床心理士が解説

 

さいごに

今回は、罪悪感の不安を消すための対処法や、ひとりでうまく行かない場合にカウンセリングを活用する方法についてご紹介しました。

 

罪悪感を抱えている方、もしかしたら罪悪感の後ろに不安が隠れているのかなと感じている方、不安自体に悩む方、ぜひ参考にしていただければと思います。

 

感情は悪いものではないですが、扱い方を間違えると自分を苦しめることになります。

 

上手な対処法を身につけ、感情との上手に付き合っていきましょう。

 

【関連記事】

>>罪悪感が消えない…罪悪感の心理・手放す4つの方法を臨床心理士が解説

 

【参考】

・感情の問題地図 関屋裕希

・「困った感情」のトリセツ 水島広子

・YOGA-CBTWORKBOOK for anxiety

・最高の休息法 久賀谷亮

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石上友梨

臨床心理士

大学・大学院と心理学を学び警視庁に入庁。5万人の職員のメンタルヘルスを管理し、カウンセリングや心理検査、メンタルヘルス講義、拳銃選手のメンタルトレーニングなど幅広く活動。6年目で退職し、フリーランスに。発達障害を支援する活動に力を入れている。‬>>HPはこちら

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  • 本記事は2019年4月28日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。