ナイトケア・ショートケアとは?対象・支援内容・費用・申請方法・事例を専門家が解説
目次
ナイトケア・ショートケアとは
精神科病院を退院後、日々の生活のリズムを整えたり、他の仲間との交流、専門スタッフによる指導や助言を受けたりするため、ディケアに通所している方も少なくありません。
ですが、ディケアは1日約6時間、9時〜15時頃まで行われることが多いです。
そのため、必要性は感じながらも、ディケアに長時間通うことが困難だったり、仕事に復職したりして、その時間帯に通所できない方々も多くいます。
そういうときに適切なサービスが、「ナイトケア」や「ショートケア」です。これらのサービスの詳細をご紹介しましょう。
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ナイトケア・ショートケアの対象
ナイトケア・ショートケアのサービスを受けることができるのは、以下の方が対象です。
1.何かしらの精神疾患を持ち、精神科病院や心療内科で外来治療を受けている方
2.精神疾患を抱えながら、地域社会で生活をしている方
3.日中は仕事をしている、病状や生活状況などのさまざまな理由によってディケアに通所できない方
4.利用者本人がナイトケア・ショートケアサービスを利用したい希望がある方
5.主治医の勧めがあり、本人もサービスの利用に同意している方
6.入院しているが、退院日が大体決まっているため、短時間から生活のためのリハビリを始めたい方。および主治医の勧めや同意が得られている方。
ナイトケア・ショートケアの支援内容
ディケアは、日中の9時から15時頃までが活動時間帯ですが、ナイトケアは、大抵16時から20時頃までが活動時間帯となることが多いです。
病気を治療しながら仕事をしていたり、作業所に通ったりしている方は、日中にディケアプログラムを受けたくても困難なケースがほとんどです。
そういう方のために、仕事や作業所の活動が終わった後に、必要としているサービスを受けることができるよう、夕方から夜間にかけて開所しています。
また、ショートケアは、主に約3時間程度のディケアプログラムで、サービスを利用したいけれども、体調や何かしらの理由で短時間しか通所できない方のために行われています。
ナイトケア・ショートケアの費用
ナイトケアやショートケアは、外来通院の一環に含まれますので、基本的には3割負担で利用できます。
また、自立支援医療を申請している方は、1割負担での利用が可能となります。
ナイトケア・ショートケアの申請方法、利用方法
ナイトケアやショートケアを利用したい方は、まずは主治医に相談してみましょう。
ナイトケア・ショートケアの申し込みには、以下のものを用意する必要があります。
1.ナイトケア・ショートケア利用申し込み書
2.ナイトケア・ショートケア指示箋
3.ナイトケア・ショートケア利用同意書
4.印鑑
5.保険証
(この5つが主な書類ですが、ディケア施設によっては他の書類などが必要になる場合があります)
利用するにふさわしいと主治医が判断したら、ディケア(ナイトケア・ショートケア)指示箋という書類を主治医が記載します。
それと同時に、利用者もナイトケア・ショートケアに同意するという同意書などに必要項目を記入してください。
それらの書類をナイトケア・ショートケアスタッフや病院の事務に提出することで申請します。
ナイトケア・ショートケアの母体は、ディケア施設となります。
ナイトケア・ショートケアの該当する事例
【Aさん30代女性】急性ストレス障害・家事手伝い
人との関りが苦手なので、短時間のショートケアを利用したい
Aさんは、交際していた男性と婚約破棄したことがきっかけで、人のことが信じられなくなりました。
そのため、人前に出ると極度に緊張したり、話をするにも恐怖感を感じたりしてしまい、人との関りを避け自宅に引きこもりがちになっていました。
また、元婚約者のことを思い出してしまい、吐き気や震え、悪夢にうなされる日々が続きました。そんな自分に困り果てたAさんは、精神科病院を受診。急性ストレス障害と診断されました。
しばらく、通院治療で様子をみていたAさんですが、主治医の温かい対応や薬物療法で、しだいに恐怖心や引きこもりがちな生活が改善されていきました。
長くは無理ですが、人との関りを持ってみたいと思うようになったAさんは主治医に相談。
ディケアで行っているショートケアプログラムを紹介され、Aさんも乗り気になったので、まずはショートケアへの見学と体験入所をすることになりました。
Aさんが体験したショートケアは、利用人数も小規模だったため、緊張感や圧迫感がなく、さらに3時間だけということでしたので、まずは週に2回、9時から12時までショートケアプログラムに参加してみることになりました。
Aさんは、まだ参加し始めたばかりですが、このペースで様子を見て行こうと思っています。
ナイトケア・ショートケアの注意事項
ナイトケアは夕方から夜間にかけて行われるサービスですが、スタッフの人員や時間帯の問題などにより、行っていない病院も多くあります。
そのため、かかりつけ病院にディケアはあっても、ナイトケアサービスがない場合もあるため、違う施設を探す必要性が出てくる可能性は高いです。
その際は、主治医や専門スタッフとの密な関りが必要となってくるでしょう。また、自分自身で市役所に相談するなどの行動が求められる場合もあります。
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- 本記事は2017年1月15日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。