ショートステイとは?対象・利用方法・事例を社会福祉士が解説

2018.01.16公開 2020.06.08更新

家族に支えられながら、地域社会で生活している精神障害者の方は多いことでしょう。

 

もちろん、日常生活を送るうえで不安なことや困難なことが出てくることもあるかと思いますが、身近にいる家族のアドバイスやサポートを受けながら、前進することができれば安心です。

 

しかし、その家族が冠婚葬祭や病気などで、一時的に彼らの支援を行うことができなくなる場合もあります。

 

そんなとき、専門家のいる施設を短期間滞在できれば、本人も家族も穏やかにその期間を過ごすことができます。

 

今回は、ショートスティについてご紹介します。

 

【関連記事】

>>自立支援医療制度とは?条件・メリット・デメリット

>>自立支援医療制度の申請方法・更新手続きとは?

>>障害年金とは?等級・金額・所得制限について

>>障害年金の受給資格・申請方法のポイントって?

>>傷病手当金の申請期間・書き方・金額・申請先

>>【傷病手当金】退職後の申請・任意継続の手続き

>>福祉制度一覧はこちら

 

ショートステイの対象

ショートスティを利用できる方は、以下のとおりです。

・精神疾患を抱えている方

・地域社会で生活している方

・ともに過ごしている家族が、冠婚葬祭などの理由で、一時的に当事者をサポートできなくなるという状況にある方

・家族と離れている間に、食事や身の回りのサービスなどを提供してほしいという希望を持つ方

・ショートスティを利用するにふさわしい障害程度の方

 

ショートステイの支援内容

上記に該当する障害者を対象に、何かしらの理由で家族が一時的に面倒を見ることができなくなった場合に、精神障害者施設などに滞在し、日常生活上の支援を受けることができるものです。

 

単独経営の障害者施設もありますが、精神科病院に併設されている場合も多くあります。

 

原則として、7日間以内の滞在で、入浴や食事などの生活に関わるサービスを提供することが特徴です。

 

そうすることで、利用者はもちろん、その家族も安心して、それぞれの生活を営むことが可能となるのです。

 

また、ショートスティの種類としては、精神障害者だけではなく、身体障害者や知的障害者、高齢者などを受け入れる施設もあります。

 

ショートステイの費用

基本的には、利用者の1割負担のみでショートスティの利用ができます。

 

しかし、世帯の所得状況によっては、負担の上限が1割以上になる場合もありますので、サービスを受ける際に確認しておくと良いでしょう。

 

 

ショートステイの利用方法

ショートスティのサービスを受けたい方は、主治医がいる場合は、まずその旨を相談してみましょう。

 

かかりつけの病院にショートスティを受け入れる施設がある場合は、連絡や調整などがスムーズに進むことがあります。

 

また、ショートスティ利用のための申請先は、最寄りの市町村の窓口で行います。

 

その後、市町村の担当職員が申請者の現状や、受けている福祉サービスなどの状態を把握し、ショートステイ利用にふさわしいか否かを判断します。

 

申請が通った場合は、申請者のもとに、障害福祉サービス受給者証が送られてきます。

 

その後、ショートスティを行う施設と利用者が契約し、サービスが開始されます。

 

また、生活保護世帯の方も利用することができ、理由によっては利用料が減免されることもあります。

 

 

ショートステイの事例

Aさん 20代女性 適応障害と軽度知的障害

Aさんは、適応障害と知的障害を持っているため、定期的に精神科病院に通院しています。

 

適応障害の方は、以前アルバイトをしていた職場の人間関係が原因だったため、退職してから随分と回復してきました。

 

ただ、軽度ですが知的障害も持っているため、日常生活を送るうえで家事が上手くできなかったり、指導がなければ、身体の清潔面にあまり気を配ることができなかったりなどの特徴を持っています。

 

Aさんは、普段は両親と姉と同居しており、彼らが声かけを行ったり、手助けをしてくれたりするため、大きな問題はなく過ごしていました。

 

しかし、再来月にAさんの両親と姉が親戚の法事のため、遠方まで出かけなくてはいけなくなりました。

 

本当はAさんも連れて行きたいところですが、彼女は新しい場所や雰囲気に慣れないと、取り乱してしまうところがあります。

 

Aさんの両親は、法事の間、Aさんを預かってくれる場所がないかと主治医に相談してみました。

 

主治医は、病院併設の施設で数日間滞在できるサービス(ショートスティ)があるので、利用してみてはどうかと提案。

 

医療スタッフとともにショートスティの手続きを行うこととなりました。

 

Aさん家族は、医療スタッフよりショートスティの説明を受けたうえで、市町村の窓口にサービス利用の申請を行いました。

 

市町村の担当職員は、後日Aさんの状態などを調査し、把握したうえで、ショートスティサービスを利用するにふさわしいとの判断がおりました。

 

Aさんの家族が法事に行くのは、遠方だということも含め5日の間、Aさんは施設に滞在することとなりました。

 

施設では、家事の心配がないように食事を提供したり、身体の清潔面で課題があるAさんに入浴指導や整容を行ったりすることになっています。

 

家族の目が離れているところでも安心してAさんを預けることができ、彼女自体も通院している病院内の施設のため、安心して数日を過ごすことができそうです。

 

 

ショートステイの注意事項

ショートスティの基本滞在日数は7日以内です。

 

しかし、家族の状況などを考慮する必要があり、市町村長が認めた場合には滞在の延長が可能となる場合もあります。

 

【関連記事】

>>自立支援医療制度とは?条件・メリット・デメリット

>>自立支援医療制度の申請方法・更新手続きとは?

>>障害年金とは?等級・金額・所得制限について

>>障害年金の受給資格・申請方法のポイントって?

>>傷病手当金の申請期間・書き方・金額・申請先

>>【傷病手当金】退職後の申請・任意継続の手続き

>>福祉制度一覧はこちら

シェア
ツイート
ブックマーク

久木田みすづ

精神保健福祉士・社会福祉士

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2018年1月16日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。