看護師でうつ病から復職する際に注意したい3つのこととは?【小松亜矢子さん】

2018.06.28公開 2019.05.16更新

うつ病で休職していて、いよいよ復職…!そんなとき、

 

「本当に以前のように働けるだろうか…?」と不安になる人がほとんどではないかな、と思います。

 

私の経験からお話しすると、復職そのものは可能です。

 

同じ職場であっても、違う職場への転職であっても、無理ということはないでしょう。

 

ただし、いくつか注意しておきたいことはあります。

 

そこで今回はどういった点に注意しておくべきなのか、私の経験をもとにお話ししたいと思います。

 

>>【看護師とうつ病】休職・復職・転職・新人看護師の悩み【体験談まとめ】

 

復職するときの3つの注意点

①自分への期待値を上げすぎない

うつ病による休職は、長期に渡ることが多いです。

 

数か月、人によっては1年以上休んでいたという場合もあると思います。

 

そこから復職するとき、「まわりに迷惑かけたし、早く元通りに働けるようにならないと」と焦って負荷をかけようとしがちです。

 

「以前はできたのだから、できるはず」と思う人もいるかもしれません。

 

でも、職場や仕事の内容、ペースに慣れていくのには、時間がかかるし体力も必要です。

 

最初は、たった半日でもぐったりしてしまうと思います。

 

そこで、「なぜこんなこともできないのか」と、自分を責めてはいけません。

 

良い意味で、自分への期待値を下げておくことが大切です。

 

しばらく休んでいたのだから、できなくて当たり前、時間がかかって当たり前。

 

逆に、できたことは精一杯褒めてあげてください。

 

小さな成功体験の積み重ねが、自信に繋がっていくと思います。

 

 

②働きやすい環境を整えておく

スムーズに復職するためには、できるだけ働きやすい環境を整えることが大切です。

 

働く時間、内容など、負担になりにくいものから始められるよう、職場側と調整してから復職することをおすすめします。

 

場合によっては、部署を変えてもらうといった配慮をしてもらうことも必要かもしれません。

 

私の場合、復職する際は、すぐに同じ部署には戻りませんでした。

 

まずは職場への通勤に慣れることから始めてみては、という上司の計らいで、復職してすぐは別の部署での雑用をしていました。

 

もともと外科病棟で働いていたのですが、すぐに病棟で患者さんと接するのは負担だろう、という考えもありました。

 

復職後に勤務していたのは、人間ドックなどの受け入れをメインに行っていた病棟。

 

毎日の流れはほぼルーティン化されており、その日に起こることの予測がつくという点では、負担の少ない環境でした。

 

その中でも、私がしていたのは検査伝票の準備や管理など。

 

患者さんと接することもなく、看護師の仕事としては不十分だったかもしれませんが、通勤に慣れるという目的を果たすためには、十分な環境でした。

 

その職場は、最終的に退職してしまったのですが、うつ病に対して非常に理解がありました。

 

時間はかかったものの、その後は別の職場で働けるようになったため、当時の復職における環境は適切だったと思っています。

 

どこまで配慮してもらえるかは、職場によって差があるかと思いますが、できるだけ自分の状況を伝え、働くハードルを低くしてから復職した方が良いでしょう。

 

 

③無理はしない、体調優先

そして、3つ目に必要なことは、絶対に無理をしないことです。

 

早く働けるようにならなければと、焦って無理をする人も少なくないと思います。実際に、私もそうでした。

 

無理をした結果、また休職することになり、結果的に復職が遅くなってしまう…ということが過去にはあります。

 

復職時は、ほとんどの人が治療中だと思います。

 

薬の影響でだるさや眠さを感じる人もいるでしょうし、長い休職で体力が落ちている人もいるでしょう。

 

そこで無理をすると、職場に行って何もできなくなるばかりか、朝になって起きられず、仕事に行けなくなるということになってしまうかもしれません。

 

調子が悪いなと思ったら、早めに申し出ること。

 

まわりの目を気にしすぎず、自分のペースを守ることが、結果的に早い復職につながるのではないかな、と思っています。

 

 

復職前にしておきたい2つのこと

休職して少しずつ回復して復職を考え始めたときに、しておいた方が良いと思うことがあります。

 

 

毎日のリズムを整える

ひとつは、毎日のリズムを整えておくこと。

 

これは休職中にも言われるていることかもしれませんが、復職するにあたって、改めて大事なことだと思うのです。

 

仕事をするということは、毎日同じ時間に起きて、通勤して、仕事をして帰宅をする、というリズムです。

 

毎日起きる時間がバラバラだったり、活動量に差があったりすると、いざ復職するときに仕事に慣れるのが大変です。

 

起床時間や毎日の活動など、少しずつでいいのでリズムを整えておくことをおすすめします。

 

 

通勤の練習をしておく

そしてもうひとつは、通勤する練習をしておくこと。

 

仕事をすることと同じくらい、場合によってはそれ以上に、通勤がストレスになることもあります。

 

出勤時と同じ時間に家を出たり、電車に乗ったりしてみて、体を慣らしておくのもおすすめの方法です。

 

できることから、少しずつ。

 

焦らずに復職を目指していきましょう。

 

>>【看護師とうつ病】休職・復職・転職・新人看護師の悩み【体験談まとめ】

 

 

小松亜矢子さんの連載一覧

【Part  1】看護師のうつ病割合は多い?4つのうつ病リスクを紹介

【Part  2】看護師でうつ病から復職する際に注意したい3つのこととは?

【Part  3】新人看護師は悩みにどう対処する?悩み解消のための3つの実践例

【Part  4】新人看護師がうつ病にならないために!3つのポイントをご紹介

【Part  5】看護師のうつ病は夜勤が原因?夜勤の健康リスクと対処法をご紹介

【Part  6】看護師がうつ病で休職…休職の手続きや休職中の過ごし方とは?

【Part  7】うつ病と看護師転職…3つのポイントと職場選びで大切なこととは?

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小松亜矢子

元看護師のフリーライター

1984年生まれ、自衛隊中央病院高等看護学院卒。福岡県出身、現在は神奈川県横須賀市在住。22歳でうつ病を発症し、寛解と再発を繰り返し今に至る。自分自身のうつ病がきっかけで夫もうつになり最終的に離婚。夫婦でうつになるということ、うつ病という病気の現実についてもっと知ってほしいと思い、ブログやウェブメディアを中心に情報発信中。

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2018年6月28日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。