新人看護師は悩みにどう対処する?悩み解消のための3つの実践例【小松亜矢子さん】

2018.07.05公開 2019.05.16更新

看護師国家試験に合格して、「看護師になったんだ…!」と喜びに浸る間もないくらい、新人看護師にはいろいろな試練が降りかかります。

 

病院内の構造と一緒に働く人たちの顔を覚え、日々患者さんに接し、それと並行して勉強もしなければならない…。

 

院内外の勉強会はあるし、やらなければならないことだらけ…。

 

毎日失敗ばかり、怒られることばかりでへこみっぱなし…という新人さんはたくさんいるでしょう。

 

私ももちろん、そんな悩める新人看護師の1人でした。

 

そんな過去を振り返りながら、新人看護師が悩みを解消するためにできることは何か、考えてみたいと思います。

 

>>【看護師とうつ病】休職・復職・転職・新人看護師の悩み【体験談まとめ】

 

新人看護師の悩み対処は?3つの実践例

私は新人時代にうまく悩みやストレスに対処できず、うつを発症してしまいました。

 

その時を思い出しながら、あのときどうすべきだったのか、今ならどう対応するかを3つに分けてお話ししていきます。

 

①とにかく誰かに話す

私が新人だった当時、誰かに自分の悩みや思いを話すのがとても苦手でした。

 

職場の人間関係や、仕事のつらさ、これからのキャリアのことなど、気軽に話すことができずに、すべて自分の胸のうちにしまっていたのです。

 

自分で対処可能な悩みであれば、それで良かったかもしれません。

 

しかし、新人時代に経験することなんて、それまでになかったことばかり。

 

自分で対処するには、限界があります。

 

できるだけ悩みが小さいうちに誰かに話して、解決のヒントをもらう習慣を身にをつけておけば良かったと思います。

 

うつになって初めて人に相談することを覚えた私ですが、周囲の人は私が思っていたよりもずっと、私のことを心配してくれていました。

 

病気になってやっと人のあたたかさに気づいたのです。

 

今では些細なことでも家族や友人、職場の先輩などに話すようにしています。それができるだけで、悩みの大きさはずいぶん違うような気がします。

 

 

②気持ちを切り替える習慣を身につける

同じことを延々と考えていると、気が休まらずにストレスをためる原因となってしまいます。

 

適度に気持ちを切り替えるようにして、悩みから離れるようにすることも大切です。

 

いったん距離を置いてから、もう一度悩みごとと向き合ってみると、意外と小さく思えたりもします。

 

では、気持ちを切り替えるためにどうするかと言うと、私のまわりでは、以下のようなことを実践している人が多い印象です。

 

気持ちの切り替え実践例

・仕事が終わったら、意識的に仕事のことは考えないようにする

・休日は、趣味や遊び、友人との時間などを思い切り楽しむ

・運動をして体を動かしてみる

・静かな場所でのんびり過ごしてみる

他にも、気持ちを切り替える方法はいくつもあると思います。

 

生き生きと働いて見える先輩に、どうやって気持ちの切り替えをしているのか、聞いてみてもいいかもしれませんね。

 

私はというと、休日にはひたすら掃除と片付けに没頭してみたり、飼っている犬と遊んでいたりすることが多いです。

 

掃除・片付けは集中すると他のことが考えられなくなるし、家もきれいになって気持ちがスッキリするので、おすすめですよ。

 

 

③できない自分を責めない、できたことは褒める

新人のうちは、できないことばかりなのは当たり前です。

 

しかし、できないことばかりに悩んでしまい、できていることを見落としがち。

 

結果、悩みばかりが頭の中を占めてしまって、精神的に追い込まれてしまうということも少なくありません。

 

私自身も、新人時代にできないことの多さに愕然としてしまい、「なんて私はダメな看護師なんだ…」と落ち込んでしまったことがあります。

 

できないことは、仕方のないこと。

 

それを念頭に置いた上で、じゃあできるようになるにはどうしたらいいのか、を考えることが大事です。

 

そして、それと同じくらい大事なことは、できたことにも目を向けて、自分で自分を褒めてあげること。

 

職場では、できないことを指摘されることが多く、できたことを褒めてもらうということは少ないです。

 

そしてそれは、ちょっと悲しいけれど、社会ではよくあること。

 

先輩たちは、できないことをできるようになって欲しいので、どうしてもマイナスな指摘ばかりしてしまいます。

 

だったらせめて、自分のことは自分で褒めてあげましょう。自分1人なのが寂しいのであれば、同期どうしで褒めあってもいいかもしれません。

 

自己肯定感が下がってしまうと、仕事に対してもモチベーションが下がってしまうこともあります。

 

逆に、自己肯定感を高く持つことができれば、悩みが小さくなることもあります。

 

 

悩んでいるのは、1人じゃない

あまりに悩んでばかりいると、

「こんなに悩んでいるのは自分1人かも」

「できないのは自分だけではないか」

と考えてしまうこともあります。

 

しかし、同じように悩んでいる新人看護師は、あなただけではありません。

 

看護師国家試験の合格者は、毎年5万人以上。その数だけ、悩んでいる人もたくさんいるのです。

 

そして、今は立派に見える先輩たちも、最初は悩んでばかりの新人だったはず。

 

ひとつひとつ経験を重ねていくうちに、ちゃんとみんな成長していくのです。

 

悩みがあることは、情けないことでも恥ずかしいことでもありません。

 

まわりもうまく頼りながら、悩みに向き合っていきましょう。

 

>>【看護師とうつ病】休職・復職・転職・新人看護師の悩み【体験談まとめ】

 

小松亜矢子さんの連載一覧

【Part  1】看護師のうつ病割合は多い?4つのうつ病リスクを紹介

【Part  2】看護師でうつ病から復職する際に注意したい3つのこととは?

【Part  3】新人看護師は悩みにどう対処する?悩み解消のための3つの実践例

【Part  4】新人看護師がうつ病にならないために!3つのポイントをご紹介

【Part  5】看護師のうつ病は夜勤が原因?夜勤の健康リスクと対処法をご紹介

【Part  6】看護師がうつ病で休職…休職の手続きや休職中の過ごし方とは?

【Part  7】うつ病と看護師転職…3つのポイントと職場選びで大切なこととは?

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小松亜矢子

元看護師のフリーライター

1984年生まれ、自衛隊中央病院高等看護学院卒。福岡県出身、現在は神奈川県横須賀市在住。22歳でうつ病を発症し、寛解と再発を繰り返し今に至る。自分自身のうつ病がきっかけで夫もうつになり最終的に離婚。夫婦でうつになるということ、うつ病という病気の現実についてもっと知ってほしいと思い、ブログやウェブメディアを中心に情報発信中。

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2018年7月5日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。