就労継続支援A型とは?対象・支援内容・費用・申請方法・事例を専門家が解説

シェア
ツイート
はてブ
お気に入り
共感
1

就労継続支援A型とは?

「精神障害を持っているけれど、仕事がしたい」そう思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

仕事をするということは大変な時もありますが、自分の生活に対してメリハリを持つことができたり、生きがいを感じることも多いものです。

 

ですが、障害の状態によっては一般企業への就職が困難な場合も出てきます。

 

そこで、障害の程度を理解したうえで、働くことができる「就労継続支援A型」という施設が用意されています。今回は、「就労継続支援A型」についてお話させていただきます。

 

 

就労継続支援A型の対象

65歳未満で、何らかの精神障害を持ち、働く意欲がありますが、その症状や能力などによって一般企業への就労が困難な方。

 

 

就労継続支援A型の支援内容

個人が持つ症状や能力、技術などによって、一般企業に雇用されるのは難しいものの、就労の意欲がある方を、就労継続支援A型施設が雇い入れ、その方と雇用契約を結ぶことにより、最低賃金の支給を保証し、その施設の社員として働いてもらうというシステムです。

 

一般企業の就職に比べて、障害について理解があり、病状が悪くなった時も柔軟な対応をしてくれることが多いですし、仕事をしながらより、良い技術を身に着けるための指導や訓練も行ってくれます。

 

また、就労移行支援で就職に結びつかなかった方なども利用しているケースもあります。仕事内容としては、軽作業や飲食店業務、製造業関係などが多いと言われています。

 

 

就労継続支援A型の費用

利用料は、基本的に1割負担ですが、本人の収入状況によって異なってきます。また、利用者は就労継続支援A型施設にて給料をもらっているため、その給料から利用料が天引きされるケースも多いです。

 

 

就労継続支援A型の申請方法、利用方法    

就労継続支援A型施設を利用したい場合は、まず主治医への相談が必要です。

 

本人の希望と主治医の勧めの意見が合えば、最寄りの市役所(障害福祉課など)へ行き、サービス申請のための手続きを行ってください。

 

その後、福祉サービス受給者証が送られてきますので、その受給者証を持ち、自分が希望する施設に申し込む必要があります。

 

精神障害者福祉手帳を持参している場合は、障害の程度が分かるため、より申請がしやすいですが、持参していない場合でも、主治医からの診断書の提出で利用が認められる場合も多いです。

 

 

就労継続支援A型の該当する事例

【Aさん30代男性】アスペルガー障害

Aさんは、事務の仕事で一般企業に就職したいという希望を持ち、就労移行支援サービスを受けていました。

 

そこで、ワードやエクセル、パワーポイントなどの技術を学び、ある職場に事務としての職場体験を何度かしましたが、場の空気が読めず、一緒に働く方との摩擦が絶えませんでした。

 

技術や能力には問題ありませんでしたが、何回訓練しても、人とのコミュニケーションの面で上手くいかず、訓練期間の限度の2年間を過ぎてしまいました。

 

Aさんは、自分に自信を失くしていましたが、就労支援移行施設のスタッフから、就労継続支援A型のサービスを受けてみてはどうかと勧められ、主治医にも相談し、事務系の仕事に強い、あるA型施設に通所することになりました。

 

アスペルガーという障害の特徴である、他人とのコミュニケーションが上手くできないということも、A型施設のスタッフは配慮してくれたため、一般企業で職場体験をしているときよりもストレスが減り、のびのびと働くことができるようになりました。

 

一緒に働く仲間に、傷つける言葉をつい吐いてしまうこともありますが、そのたびに指導を受け、自分も言ってはいけない言葉などを学びながら頑張って仕事をしています。

 

 

【Bさん50代女性】統合失調症

Bさんは、長い間、統合失調症の症状が落ち着いており、通院治療を続けながら高齢の母親と暮らしています。

 

生活は障害年金と母親の年金でまかなっていますが、最近母親が足腰を悪くし、病院通いが増えたため、Bさんが母親を心身ともに支えなくてはならないことも多くなりました。

 

また、医療費も以前よりかさむようになったため、今まで母親にお世話にばかりなって、何もできない自分に対して、腹立たしくなっていました。

 

今度は、自分が母親を守りたいと考えるようになったBさんは、金銭的に少しでも支えになりたいと「働きたい」と思うようになりました。

 

ですが、病気を抱えているため、一般企業で勤務することは難しいことも分かっていました。悩み始めたBさんはその旨を主治医に相談。

 

すると主治医が、障害を抱えながら雇用してくれ、その人に合った仕事の訓練も行ってくれる、就労継続支援A型施設というものがあると教えてくれたことで、あるA型施設に通所するようになりました。

 

そこでは、お菓子を箱詰めするという軽作業をすることとなり、初めて本格的な仕事をしたBさんは緊張で体調が悪くなることもありましたが、周りのスタッフや仲間たちに支えられながら、徐々に仕事にも慣れてきています。

 

結果、収入も増え、やっと母親に恩返しをすることができたとBさんは喜んでいます。

 

 

就労継続支援A型の注意事項

就労継続支援A型は、一般企業に就職ができない場合でも利用できることが多いので、障害者自身にとっては、とても助かる場所となり得ます。

 

ですが、どうしても一般企業と比べると、賃金が低くなってしまいます。そのため、1人暮らしの場合は、障害年金などと上手く併用しながら、やりくりをしていく必要が出てくることがあります。

 

 

Misudu Kukita【執筆者】

久木田みすづ 精神保健福祉士 社会福祉士

シェア
ツイート
はてブ
お気に入り
共感
1

関連記事