【臨床心理士解説】HSP4つの特性と12のチェックポイント、発達障害との違いとは?

2020.08.22公開 2021.06.06更新

HSP/HSC、12のチェックポイント

HSPとは、人よりも感度の高いアンテナを常に張っている状態と言われています。

 

上記で挙げた4つの特徴全てにあてはまることや、以下の質問にあるような特徴を持っているとHSPである可能性が高いと言われています。

 

以下に、アーロン博士が紹介するチェックリストを一部抜粋しましたので参考にしてみてください。

1. 周囲・環境の微妙な変化によく気づくほうだ

 

2. 他人の気分に左右されることがある

 

3. 忙しい日が続くと、ベッドや暗い部屋などにひきこもりたくなる

 

4. 騒音に悩まされやすい

 

5. 美術や音楽に深く心が動かされる

 

6. すぐにびっくりする(仰天する)ことがある

 

7. 人が何かで不快な思いをしているとき、どうすれば快適になるかすぐに気が付ける

 

8. ミスをしたり、物を忘れたりしないようにいつも気をつける

 

9. 暴力的な映画やテレビ番組は見ないようにしている

 

10. デリケートな香りや味、音、音楽などを好む傾向がある

 

11. 競争させられたり、見られたりしていると、緊張して本来の実力を発揮できない

 

12. 子供のころ、親や教師は自分のことを「敏感」や「内気」と思っていた

全てあてはまっていなくても、1つでも強くそう感じたり、半数以上にあてはまったら可能性は高いと言われています。

 

他にもチェックポイントはたくさんあるので、興味のある方は以下のような外部サイトも調べてみてくださいね。

 

http://hspjk.life.coocan.jp/selftest-hsp.html

(アーロン博士のチェックリストを日本語訳したものです)

 

HSPと発達障害との違いは?うつとの関連は?

HSPと発達障害

HSPと発達障害が、なぜ似ていると思われたり、間違われたりするかというと、小さい頃から過敏である特徴を持つ人が多いことが挙げられます。

 

特に、食べ物や衣服を決まったものしか受け付けないといった人も多く、それらが発達障害(自閉症スペクトラム)と間違われやすい要因とも言われています。

 

しかしHSPは気質であり、発達障害は病気なので、全くの別のものです。

 

HSPと発達障害には大きな違いがあると言われており(明橋,2018)、その一例として、

 

HSPは人の気持ちを察することに人一倍長けていて、それにより非常に疲れやすい一方で、自閉症スペクトラムの人は、人の気持ちに気が付きにくく、空気を読むことが苦手といったことが挙げられます。

 

その為、どちらかを見極めるには、過敏さよりも、コミュニケーション・人間関係に注目すると分かりやすいと思います。

 

HSPとうつ症状との関連性

うつ症状の代表的なものに、

・自分を責める

・好きだったことが楽しめなくなる

・憂鬱に感じる

・意欲の低下

・会話などが頭にとどまらない

・普段はしないミスを頻発する

などがあります。

 

HSPはもともと持っている気質・特徴ですが、うつ病は生活している上でストレスを抱えた結果、脳の機能に異常によってなってしまう病気です。

 

うつ病の人はうつ病になる前と後で性格や考え方が異なるとも言われています。

 

HSPは気質である為、うつ病にもなる可能性があります。

 

特に、自己肯定感の低さや他者への敏感さ、疲れやすさなどはうつ病になる要因とも一致します。

 

HSPやHSCに限らず、自己肯定感を高めることは大事ですが、特にHSP・HSCの人はとても敏感で疲れやすいです。

 

周りの空気を読みすぎて、必要以上に深読みをしてしまうことで、会社や学校に行きにくくなってしまっている場合があります。

 

まずは、ゆっくり休んでエネルギーをためることが大事になります。

 

【関連記事】

>>自己肯定感を高めるには?手軽な方法10選を臨床心理士が解説

 

さいごに

HSPの傾向にある場合、外部を意識しすぎるあまり、やり場のない気持ちをご自分へぶつけてしまったり、今まで傷つきを受けながら過ごしてこられてきたかもしれません。

 

心にも体にもエネルギーが十分に満ちていない状態で、急に「変わろう」と張り切り過ぎてしまうと、「結局やれなかった」といった思いにつながりやすいリスクがあります。

 

まずは「今までの自分がいかに頑張って生きてきたのか」について振り返り、自分自身の“価値”を実感できるようにしていくことから始めてみてはいかがでしょうか。

 

プライベートでは出来るだけのんびりとして心身を休め、

・騒がしいところではノイズキャンセリング機能の付いたイヤホンをつける
・一人でゆっくり出来る時間を作る
・短時間に多くのことをしようとしすぎない

といった具合で、普段からも刺激を和らげられるような工夫を取り入れられると良いですね。

 

【関連記事】

>>HSPで仕事が遅い、仕事で疲れやすい、仕事が怖い…HSP必見の仕事術を臨床心理士が解説

>>【HSP】向いていない仕事の特徴、向いてる仕事の探し方は?臨床心理士が解説

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>>HSS型HSP3つの特徴。原因は遺伝?恋愛・結婚の相性は?

>>【発達障害まとめ】仕事上の特徴・ミスへの対処・合理的配慮・周囲の接し方など

 

【参考文献リスト】

『敏感すぎて生きづらい人の明日からラクになれる本』(長沼睦雄 著/永岡書店/2017)

『HSCの子育てハッピーアドバイス』(明橋大二/1万年堂出版/2018)

『鈍感な世界に生きる 敏感な人たち (心理療法士イルセ・サンのセラピー・シリーズ)』(イルセ・サン著,枇谷玲子 訳/ディスカヴァー・トゥエンティワン/2016)

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池谷さき

臨床心理士

大学院修士課程修了後、臨床心理士資格を取得。病院、クリニック、療育施設などで臨床心理士として勤務。「明日の為に寄り添いたい」という思いで、精神疾患や発達障害の方だけではなく、日々の生活に悩む人や自己肯定感の低い人など幅広い支援をおこなっている。

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2020年8月22日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。