クローズで働くポイントは自分なりの打開策と心のサポーターの存在
クローズ就職でのメリットって?
では、クローズ就職にメリットはないのでしょうか?
障害者枠就職を考えている、勧められている場合は、「クローズにしておくことのできない困った感」があることと思います。
もはや、発達的な問題を周囲にクローズしたまま就職することが難しい状況ではないでしょうか?
クローズ就職にメリットがあるとするならば、ちょっと変わった人ではあるけれども、おもしろいと言われたり、発達障害者というレッテルを貼られず、色眼鏡で見られることが少ないということではないでしょう。
一般就職ということで、就職先も多種多様な中から選ぶことができます。
しかしながら、クローズで働ける程度の発達課題であるならば、障害者枠就労はそもそも話に上ってこないことでしょうし、意地になったり不安になって発達課題を隠さずとも、あなたのおもしろい素敵な部分に周囲は、もう気づいてくれていることと思います。
クローズ就職でのデメリットは?
クローズ就職をするということは、一般就職をすることであり、それは特別な配慮がないことを示します。
ある会社では、「キリのいいところで作業をやめて休憩に入って。」と、職員に伝えたところ、どこまでがやれば「キリがいい」のかが分からず、いつまで経っても作業の手を止めることが出来なかったという話があります。
この、「キリのいいところ」という抽象的な表現は実に分かりづらい表現です。
どこでキリがいいと思うかは個人差も大きいことでしょう。
では、これが「今、作業をしている列が完成したら休憩に入ってください。」という表現だったらどうでしょうか?
この言い方であれば、発達に課題がある云々は関係なく、どの職員に対しても分かり易い言い方ですね。
クローズ就職をするということは、こういった日常のきめ細やかな支援が受けられないということです。
もちろん、障害者枠採用があるからと言って、どの会社もきめ細やかなサポートがあるかというとそうではないと思います。
しかしながら、クローズ就職では、特別に配慮を受けることができず、何気なく放ったたった一言のために何時間も苦しい思いをするという現実もあるのです。
読者に伝えたいこと
クローズ就職を希望しておられる方は、クローズ就職が可能なのか、自分の特性と向き合い考えていくことが大切でしょう。
一般就職を目指すことになりますので、仕事内容に無理がないか、体力との兼ね合い、自分のスキルとの兼ね合いなど、細かくチェックをしてみてください。
そして、オープン就職、クローズ就職問わず、あなたのその特性を理解し、サポートしてくれる大切な「心のサポーター」を見つけ、あなたもその方を大事にしてください。
発達障害を抱える方のその特性は、周囲を和ませ安らぎを与え、時に確信をついて周囲をハッとさせたり、そして誰も気づかなかった事に気づけたりと、社会になくてはならない力にもなり得るのですから。
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- 本記事は2018年12月30日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。