「希死念慮って実際どんなものですか?」希死念慮経験者と精神科医で座談会
「死にたい。」と大切な人から打ち明けられたら、あなたは何と声をかけますか?
どう接していいか分からなかったり、「甘えてるだけ」「かまってちゃん」などと突き放してしまうこともあるかもしれません。
一方で、死にたいという気持ちを誰にも言えずに、苦しい思いをしている人もいます。
このような具体的な理由がなく漠然と死を願う状態を「希死念慮」と呼ぶことがあり、うつ病の診断基準の一つにも「死についての反復思考」が挙げられています(※米国精神医学会刊行のDSM-5マニュアルより)。
この漠然と死にたいと思う気持ちに、ご本人や周囲の人はどのように向き合っていけばよいのでしょうか。
そこで今回の座談会では、希死念慮経験者と精神科医の視点から、あまり語られることのない「希死念慮」についてお話しいただきました。
中安さん(写真左):PMDD(月経前不快気分障害)のご経験から、自助グループの設立を目指し、Twitter等で発信中|インタビュー記事はこちら
竹内さん(写真中央):10代での自律神経失調症を経て、生きづらさや自己肯定感などについてnoteで発信中|インタビュー記事はこちら
岡本さん(写真右):精神科医。北本心ノ診療所院長。中学〜社会人時代に、ご自身も4度のうつ病を経験|インタビュー記事はこちら
<進行:近藤雄太郎(Reme)>
目次
希死念慮=死にたい?
希死念慮が出たら、紙やTwitterに今の感情を全部吐き出しています。
昨日も「つらい」「消えたい」「生きてる価値ない」とか紙に殴り書きして、30分くらい経って見返したら、「あ〜また出たか」みたいな。笑
「本当の私は消えたいと思ってないから大丈夫」っていう安心感が出てくる感じです。
対処法を見つけるまでは頓服を飲んで寝るだけでした。収まるのを待つ、みたいな。完全に受け身でしたね。
今は逆に「やっつけてやる!」くらいの気持ちです。
それが年々強くなって、高校三年生の時に初めて“実行”しそうになりました。
もう10年前くらいの話ですが、すごく精神的にしんどかった時に、コードを首に巻いてグッと締めたんですけど、苦しすぎて途中でやめたっていう。笑
でもその時に、死ぬのはやっぱり痛いし苦しいし、無理だなって思ったんですよ。
その後も何度か死にたくなることはあったんですが、“死にたい”の裏に“生きたい”願望が隠されてるんじゃないかと思うようになりました。
そんな感覚が頭の中でせめぎ合ってる感じです。
だから、死にたいと思ったことは一度もないです。死んだ方がいいかも、とは思ったことありますけど。
希死念慮って必ずしも肉体的にも死にたいというわけではないと思っています。
その一方で、私は災害や病気で死ぬのは、痛いし怖いから嫌だって思うんです。
これは、肉体的には生きたいからだと思うんです。
だから、死にたい気持ちになっているのは、精神的に生まれ変わりたいというサインなのかなと。
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- 本記事は2019年12月28日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。