性格とは?2つの種類・ビッグファイブを心理学視点で臨床心理士が解説
性格の種類とは?
性格には様々な捉え方があり、専門的には大きく分けると「類型論」と「特性論」という2つに分けられます。
類型論
類型論とは、一定の原理に基づいて典型的な性格を設定し、それによって性格を分類して理解しようとする立場です。
例えば、血液型による分類も類型論の立場による分類の一つです。
その他にも心理学では、体型による分類やユング(C.G.Jung)による4つの心の機能と2つの心のエネルギーの向きを組み合わせた8つの性格類型を導き出す分類方法など、さまざまな方法があります。
いずれも、体の特徴などによってあらかじめ設定されたタイプに分別し、あるタイプに当てはまったらこういう性格特徴を持つ、というような理解の仕方をしようとするものです。
特性論
一方、特性論とは性格特徴のなかでも、一貫して出現する行動傾向やまとまりである特性ひとつひとつの組み合わせによって、個人の性格を捉えていこうとする立場です。
この立場では個人を観察し、他の人と比べてその人が持続して持っている特徴を記述していきます。
タイプに分けて捉えることはせず、
「この人はこういう特徴があるね、こんな特徴もあるね」
というような説明が出来るような理解をしようとするものです。
ビッグファイブとは?
上記でご紹介した特性論は様々な研究を重ねてきた結果、性格を5つの特性で説明しようとするビッグファイブ(big five:5因子モデル)という考えが優勢になっています。
・神経症傾向
・勤勉性
・外向性
・開放性
・協調性
この5つの特徴で性格の全体を完全に捉えられるわけではありませんが、この5つによって大部分を網羅的に説明できるということから、ビッグファイブと呼ばれています。
5つの特性はそれぞれ以下のように説明されると考えられています。
神経症傾向
不安や緊張の強さ、ストレスに対する敏感さ
勤勉性
責任感の強さ、真面目さ、物事を成し遂げようとする意志
外向性
積極性や社交性
開放性
新しいものや経験に対する好奇心、想像力
協調性
思いやり、優しさ、周囲との調和
ビッグファイブの考えをベースにした性格検査も開発されており、この5つの特徴をそれぞれ検査で得られた得点の高低によって測定していこうとするものもあります。
専門的な公式の検査もありますが、インターネットでも簡易的に無料で検査体験ができるサイトもありますから、どんな感じであるか参考程度に診断を受けてみても面白いかもしれませんね。
さいごに
性格の捉え方というのは実に様々な方法があります。
類型論で捉えると、タイプに分けて捉えやすくなるので、全体像を理解しやすくなりますが、その人個人の具体的な特徴が見えにくいという一面があります。
タイプに分けて考えることは、より理解を簡単にさせることが出来ますが、例えば血液型による分類のように、これによって差別や偏見が生まれていることも少なくありません。
その反対に特性論で捉えると、個人の具体的な特徴を細かくとらえることが出来る一方で、全体像が見えにくいという性質があります。
類型論と特性論の性質を理解したうえで、うまく組み合わせながら人の性格を感じてみると、新たな発見もできていくかもしれませんよ。
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- 本記事は2018年12月6日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。