自分が嫌い…気持ち悪い…と感じる心理・3つの克服法を臨床心理士が解説

2019.03.14公開 2024.08.03更新

自分嫌いがもたらす3つのリスク

①不満がたまってしまう

嫌いな人がいる場合、その人と距離を置くことでストレスは和らぎます。

 

ただいくら自分が嫌いでも、自分とは距離を置くことができませんよね。

 

ですから、不満ばかりがどんどんたまって、いつも嫌な気持ちを忘れることができません。

 

ときには、つい現実逃避したい気持ちになることもあるでしょう。

 

②人と積極的に関われない

自分を嫌いになると、自分に自信を持つことができません。

 

ですから、どうしても人と積極的にかかわることが怖くなってしまいます。

 

また、人と一緒にいると気おくれしたり、みじめな気持ちになることもあり、そんな自分をよけい嫌いになってしまうという悪循環に陥ることもあります。

 

③自分の長所が見えなくなる

どんな人にもかならず長所や強みがあります。

 

いいところを活かすことができれば、あえて嫌いな部分にこだわる必要もなくなるかもしれません。

 

ただ、自分のことが嫌いになると、どうしても短所ばかりが目につくもの。

 

ご本人にそのつもりはなくても、つい自分の嫌な面のことばかり考えてしまい、なかなかいいところに目が向かなくなるのです。

 

その結果、「やっぱり私には嫌なところしかない」という思い込みを強めてしまいます。

 

 

自分嫌いを克服する3つの方法とは?

①意識を自分の嫌なことから切り離す

どうしても自分の欠点ばかり目についてしまう…

気が付いたら自分に対する嫌悪感で頭がいっぱいになっている…

 

そんなときはまず、「自分の性格について考えるのをストップし、意識的に別のことに頭を使う」練習を試してみましょう。

 

できれば、あなたが楽しいと思えること、リラックスできることが理想的です。

 

あなたが集中しやすいこと、没頭しやすいことを選んでもいいですね。

 

これによって、しばらくは注意を自分の嫌なことから切り離すことができます。

・趣味に没頭する

・読書や映画、テレビ、動画など、ストーリーに入り込む

・スポーツなどで体を動かす

・ストレッチやヨガ、マッサージ、瞑想などでリラックスする

・仕事や勉強の予定をあえてたくさん入れる

ただし、これは一時的に嫌な気持ちを和らげる方法です。

 

自分嫌いを根本的に克服するには、視野を広げて自分をとらえ直す工夫も必要になります。

 

②いいところ、頑張ったことを書き出す

自分嫌いの悪循環を止めるには、自分の嫌いなところへの意識を、自分のいいところにも向けていくことが大切です。

 

ただ、人はもともとネガティブなことに注目してしまう傾向があり、何も意識しなければ自然と短所ばかりが気になってしまうものです。

 

そこで、「意識的に自分の長所に目を向ける」ということを生活のなかに習慣づける練習が必要になります。

・自分のいいところをできるだけたくさん紙に書き出す(人に聞いてもOK)

・その中からひとつをその日のテーマに選んで、一日意識しながら過ごす

・毎日ひとつずつ、いいところ、がんばったことを手帳に書いていく

・自分の嫌なところが頭に浮かんだら、自分のいいところもひとつ口に出す

③「誰かの役に立つこと」を考える

もし自分の長所がなにも浮かばなくても、「自分はやっぱりダメなんだ」とあきらめる必要はありませんよ。

 

そんなときは「自分のいいところはなにか」ではなく、「自分は他の人のためになにができるか」を考えてみるのはいかがでしょうか。

自分にいいところがあるという実感は<自己肯定感>

自分が誰かの役に立てるという実感は<自己有用感>

といって、どちらも自分に自信をつけるための重要な要素です。

 

だれでも職場や学校、家庭、地域などで、なにかしらの役割を担っています。

 

ですから、そこで自分がどんなふうに貢献できるか(できたか)に注目してみましょう。

 

きっと、自分のポジティブな面を発見することができるはずですよ。

 

【関連記事】

>>自己肯定感を高めるには?手軽な方法10選を臨床心理士が解説

 

 

さいごに

自分が嫌い、気持ち悪いと感じるのは、決しておかしなことではありません。

 

ただ、それが頭から離れなかったり、ずっと自分を好きになれないのは、とても苦しいことですよね。

 

まずは自分嫌いの悪循環からぬけだして、自分のいいところ、できることに注目する習慣をつけてみてください。

 

あなたがあなたらしく輝けますよう、応援しています。

 

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倉本梓

臨床心理士

心理系大学院修士課程を修了後、臨床心理士資格を取得。医療機関、教育機関でカウンセリングを担当するほか、スクールカウンセラーとしても活動。子育て、家庭問題、対人問題をはじめ、「自分らしい生き方」のためのメンタルヘルス向上を目指した支援を行なっている。

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2019年3月14日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。