産後うつの原因って?実体験で分かった3つの原因【村田あゆみさん】
産後女性の10~20%が発症すると言われている産後うつ。
その原因に、産後のホルモンバランスの乱れが大きくかかわっているということが、最近の研究で分かってきています。
ホルモンバランスの乱れは誰もが経験すること。
つまり、誰もが産後うつになる可能性があるということです。
それだけに、早期に気がつくことが大切ですね。
ホルモンバランスの乱れ以外にも、原因はさまざまあると言われていますので、ここでは私が体験した中で感じた原因についてお話しますね。
>>【産後うつまとめ】特徴・原因・チェック項目・夫婦関係・セルフケア〜
目次
毎日が「できない」の連続
私が産後うつを発症したのは2人目の産後でした。
1人目の時は、何とかハンドリングできていた産後の生活が思うようにいかなかったのです。
産後1か月から朝夕には上の子の保育園送迎と、家事や赤ちゃんのお世話…。
二人まとめてお風呂に入れて寝かしつける…。
夜中にはもちろん授乳やおむつ替えが待っています。
赤ちゃんが泣いているのに、上の子のおしたくで手が離せない…。
上の子が泣いているのに赤ちゃんの授乳で身動きがとれない…。
毎日が「できないこと」の連続で、二人の子どもは泣いたり、ぐずったりするばかりでした。
イライラして上の子を怒鳴りつけ、止まらない赤ちゃんの泣き声にトイレに逃げ込むようになりました。
できない母としての罪悪感
そして、そんなことをしている自分を嫌悪し、こんなダメな母のところに生まれてきてしまった子どもたちへの罪悪感でいっぱいでした。
そんな罪悪感を抱えて子どもに接していると、何をやってもうまくいっていないように感じて、ますます自分がダメな母親に思えてきたのです。
ダメな自分、できない自分を認めたくなくて、「ちゃんとやろう」「今日は笑顔で子どもと話そう」、そんな風に思ってもやっぱりできない。
そんな負のスパイラルでどんどん自分を追い詰めてしまいました。
泣かれることへの恐怖
当時の私は、「子どもは泣かせてはいけないものだ」という思い込みがありました。
だから、子どもが泣くと、なんとかして泣き止まさなければならないと必死でした。
こんなに泣いていたら虐待だと思われるんじゃないかと不安になることもありました。
でも、赤ちゃんは泣くのが仕事。
特に下の子は、ちょっとしたきっかけでよく泣きました。
抱っこの仕方が気に入らない
服がよれて気持ち悪い
眠いのに眠れない
寝たのにカラスが鳴いた
おならが出ない…。
こうして書き連ねると、何で泣いたか分かっているだけ大したものだと思いますが、この頃は原因は何であれ「泣いている」という状況が受け入れられなかったのですね。
怒りで手をあげることもあった
そして、当然、上の子も泣きます。
赤ちゃん返りもあったし、イヤなこともあったでしょう。
赤ちゃんの泣きでキャパオーバーだった私は、上の子が泣くことが許せませんでした。
後のカウンセリングで分かったことですが、私自身が長女として我慢してがんばる幼少期を送ってきたために、無意識に「上の子は泣いてはならないもの」という規制をかけていたのですね。
怒りが収まらず、手をあげてしまうこともありました。
子どもたちの泣き声は、「こんなに泣かせるお前は母親失格だ」と言われているような気がして、とにかくつらかったのです。
泣かせまいとしても、子どもの感情は子どものもの。
勝手に泣く子どもたちを前に、こちらは泣くこともできず、
(泣いてしまえばよかったのに、当時はそれもしてはならないことだと思っていたのです)
抱きしめることもできず、ただただ、わき上がる怒りを抑えることに必死でした。
泣いていい。
それは、自分の中のインナーチャイルドへの許可だったのですね。
カウンセリングでそれをできて、ようやく子どもの泣き声が怖くなくなったのです。
周囲の評価への不安
いいお母さんでいることやちゃんとした子育てをすることが、自分自身の評価だと思っていたんです。
周りがどう思っても関係ないのにね。
自分が勝手に作っていた、「学校の先生だから子育てもちゃんとできてなくちゃいけない」という思い込み。
もしかすると、「会社でちゃんと仕事してたんだから、子育てだってちゃんとできる」って思って頑張っているママもいるかもしれないですね。
周りにどう思われるかを気にして、こんなんじゃダメな親だって思われるということが不安で仕方ありませんでした。
だから、外ではいつも笑顔で穏やかに話しかける母親を演じて、家に戻ると怒ったりほったらかしにしたりする使い分けをしていたんです。
そのうち、段々そういう使い分けすらもできなくなってきて、外に出ることをしなくなりました。
自分のダメな子育てを知られてはならないと必死でした。自分が何かおかしいと思っても、「支援センターに相談したら、ダメ母と言われる」と思って、相談もできませんでした。
差し出された支援の手はあったはずなのに、その手を自分で払いのけて、事態をどんどん深刻化させてしまったんです。
自分の思い込みが自分を追い込んだ
上記のように、実体験を通して感じた産後うつの3つの原因は、
「できない母としての罪悪感」
「泣かれることへの恐怖」
「周囲の評価への不安」
そして、これらに共通するのは、自分の思い込みが自分を追い込んだということです。
「何でも一人でできるスーパーママ」だから「子どもを泣かせるのはダメなこと」で「ちゃんとした母親に見られる」のが大事…。
誰もそんな価値観を押しつけていないのに、勝手に作り上げた理想像とのギャップに、自分がコントロールできなくなっていたんです。
子育てはできないことがあって当たり前
子育ては、できないことがあって当たり前。
私が何度もそうお伝えしているのは、思い込みを自分で外すのは大変だからです。
カウンセリングが受けられればいいのですが、そうでないならば外から何度も何度も伝えられて、自分の中にじんわりと少しずつしみ込ませていくことで、その思い込みを解消していけるのです。
あなたがもっている子育てへの思い込みや価値観を、今一度見返してみると、肩の荷が下りて楽になるかもしれませんよ。
>>【産後うつまとめ】特徴・原因・チェック項目・夫婦関係・セルフケア〜
村田あゆみさんのコラム一覧
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- 本記事は2018年4月17日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。