産後うつかも?経験者が教えるチェックしたい3つの前兆とは?【村田あゆみさん】

2018.04.05公開 2019.05.16更新

産後の女性の10~20%が経験すると言われる「産後うつ」。

 

約18万人の女性が「産後うつ」で苦しんでいるんです。

 

「もしかして私も?」と思う方もいらっしゃると思います。

 

産後うつは一般的なうつの状態に加えて、子育てや夫婦関係に関するストレスが現れ、産後クライシスへとつながってくるため、その前兆に早く気づいてケアすることが大切です。

 

「もしかして?」と思ったら、早めに支援センターや保健師さんなど専門の方のサポートを受けるようにしましょう。

 

>>【産後うつまとめ】特徴・原因・チェック項目・夫婦関係・セルフケア〜

 

 

私が経験した産後うつ

私が産後うつを経験したのは、2人目の産後でした。

 

出産直後、点滴をつけなければならないほどの極度の貧血状態から2日で回復。

 

自分の身体の頑丈さに感激していたのもつかの間、退院後は体がだるい、赤ちゃんが泣いても動きたくないという状態が続きました。

 

実は回復したと思ったのは、体内の鉄分を使い切っていただけで、再び貧血状態に陥っていたんですね。

 

ところが、そんなことに気づかず、

 

「赤ちゃんが泣いているのに、動きたくないと思う私はダメな母親だ」

 

というように、マイナス思考に陥ってしまったんです。

 

そこから、赤ちゃんが泣くとイライラが爆発し、上の子のちょっとした言動に八つ当たりをするようになりました。

 

 

ダメ母の烙印が怖くて相談できない日々

夫は頼れず、保健センターなどに相談したいと思っても、ダメ母の烙印を押されるのが怖くて連絡もできないままでした。

 

そんな中、自分では感情をコントロールできなくなってようやく、初めてカウンセリングの門を叩いたのでした。

 

産後は貧血だけでなく、出産の疲れ、ホルモンバランスの乱れ、睡眠不足など様々な要因で身体が疲れやすく、だるくて動けないという状態になりやすいのです。

 

そうしたことを知らないと、自分の至らなさから赤ちゃんのお世話ができないと思い込んで、悩みを深めてしまいがちです。

 

逆に、もしそういうことを知っていたら、もっと楽な気持ちで、「おかしい」と気づいた時に相談することができたのにと思っています。

 

産後の母体は、身体も心も非常にデリケートになっているということを、まず頭に入れておいて欲しいと思っています。

 

 

 産後うつの3つの前兆とは?

それでは産後うつの前兆としてどのような状態が現れるのでしょう。

 

ここでは、代表的な前兆を3つご紹介いたします。ただ、症状の出方や種類は人によってかなり異なります。

 

出産前と様子が違う、思うように動けないといった、気になることがある時は、早めに専門家のサポートを受けてください。

 

また、自分では気がつきにくいこともあるので、パートナーや親御さんと情報を共有しておくのもいいですね。

 

 前兆その1:ささいなことで感情が乱れる

イライラしたり、悲しくなったりと、一日の中でも感情が乱高下します。

 

・おむつを替えている時におしっこをされてしまった

・おっぱいを飲んでも赤ちゃんが泣き止まない

 

そんな赤ちゃんの行動にイラっとする。時には怒りが爆発して赤ちゃんを放り出しなくなることもありますね。

 

夜泣きする赤ちゃんに我慢できなくて、窓から投げようと思ったことがあるママは、実は少なくありません。

 

夜の孤独感はネガティブな感情をいっそう強めるんですね。

 

また、パートナーや里帰りなど親との関係がきっかけになることもあります。

 

特に親との関係では、子育て観の違いから自分を否定したり、母親失格だと思ったりしがちです。

 

例えば…

 

紙おむつを見た実母に「私の時はそんな便利なものはなかった」と言われた。

 

泣いている赤ちゃんにおっぱいをあげたら、パートナーから「おれにそれは出来ない」と言われた。

 

などなど。

 

家族にとっては感想をただ言っただけのつもりが、ママにとっては手抜きをしているとか手伝ってもらえないと受け止めてしまって、自分にダメ出しをしてしまうのです。

 

そのくらいのことで?と周りは驚くかも知れませんが、そのくらいのことがツラくなるのが産後うつの始まりと言えます。

 

前兆その2:子育てへの不安や自己否定が強くなる

今は、気になることがあればすぐスマホで調べられる時代です。

 

だからこそ、かえってあふれかえる情報に振り回されて不安感を募らせてしまうことがあります。

 

これは私の1人目の産後の話ですが、夜間の授乳間隔をどうしたらよいか分からず、ネットで調べたところ、3時間おきに飲ませるべきと書いてあるサイトもあれば、朝まで寝かしてよいと書かれたサイトもありました。

 

いずれも産院や助産師さんのサイトで、どうしていいか分からず、そんなことも決められない自分が情けなくなってしまったのです。

 

赤ちゃんを連れていると、外でもたくさんの方が声をかけてくれますね。

 

時には、自分の子育てと違うことを言われることもあります。

 

靴下を履かせていれば、「あら、暑そうね」と言われ、裸足でいれば「足が冷たくてかわいそう」と言われ、どうしたらいいのっ!と叫びたくなることもありました。

 

始まったばかりの子育てです、分からないことだらけで当たり前。

 

そんなところに聞こえてくる外野の声は、思いのほか不安をあおるものです。

 

気にしないでいられるうちはいいですが、そうした声に不安や自己嫌悪、自己否定を感じる時は産後うつの入り口にいると思っていいでしょう。

 

前兆その3:外出や人との会話がおっくうになる

産後はホルモンバランスの乱れや睡眠不足などで体力が落ちています。

 

そんな中、食事もままならないまま、赤ちゃんにつきっきりになっていて、気づいたら夕暮れだったということもありますよね。

 

会話らしい会話もしないまま一日が終わっていることもあります。

 

そのような日々が続くと、だんだん外に出ることがおっくうになってしまいます。

 

外出や他の人との会話は、知らずにたまったストレスを発散してくれるのですが、一日家の中にいるとそうしたストレスがたまりがちです。

 

さらには、社会から隔絶されているような気分になって、思考がマイナス方向へと進んでいきます。

 

特に産休に入るまで、毎日外に出かけるライフスタイルだった方にとっては、産前休中からの孤独感に拍車をかけて、疎外感からうつ傾向になることが多く見受けられます。

 

外に出たくない、帰って来たパートナーともしゃべりたくないといった日が続くのは、産後うつの要注意サインです。

 

>>【産後うつまとめ】特徴・原因・チェック項目・夫婦関係・セルフケア〜

 

 

村田あゆみさんのコラム一覧

【Part  1】産後うつかも?経験者が教えるチェックしたい3つの前兆とは?

【Part  2】産後うつの原因って?実体験で分かった3つの原因

【Part  3】産後うつになりやすい3つの特徴や20のチェック項目とは?

【Part  4】産後うつで夫が嫌いに…すぐに実践できる3つの克服方法とは?

【Part  5】産後うつにカウンセリングがオススメな3つの理由とは?

【Part  6】産後クライシスの解決法!私が実践した3つの方法をご紹介

【Part  7】産後うつクライシスで離婚?後悔する前に試してほしい3つのこと

【Part  8】産後クライシスで夫が浮気?夫婦関係を改善する3つの方法とは?

【Part  9】産後うつを夫が理解しない…夫の理解を得るための3つのコツ

【Part10】産後うつへの夫の対応…ついやりがちな3つのNG対応とは?

【Part11】産後うつで夫ができることって?私が嬉しかった3つのこと

【Part12】産後クライシスで夫がうつになる前に!4つの予防方法とは?

【Part13】二人目で産後うつの再発が心配…大切な5つのマインドセットとは?

【Part14】産後うつで夫の仕事に影響…夫が仕事と子育てを両立する3つのコツ

【Part15】産後うつはいつまで続く?14の特徴・4つのセルフケアとは?

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村田あゆみ

Shiny Edu代表・教育コンサルタント

高校教師として3,000人を超える高校生を指導。「21世紀型子育てレッスン」講座・講演主催。教員経験、子育てでの産後うつ、不登校経験から学童期までの母子の関わりの大切さを伝えています。【所有資格】中学校1種教員免許状(国語)、高校専修教員免許状(国語)、JAOS認定留学アドバイザー、アドラー心理学ELMリーダー講師、勇気づけ親子心理学SHINEbasicリーダー講師

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2018年4月5日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。