産後クライシスの解決法!私が実践した3つの方法とは?【村田あゆみさん】
産後クライシスで悩まれる方の多くは、どうしたらよいか思い悩みながら、一人でその問題を抱えています。
「何とかしたい」と思っても、一人で悩んでいると、堂々巡りのスパイラルに入ってしまって、新しい視点で状況を見ることができなくなってしまいます。
そうなると、事態は悪化の一途をたどり、思い詰めてしまうのです。
それでは、解決するためにはどのような方法があるのでしょうか?
>>【産後うつまとめ】特徴・原因・チェック項目・夫婦関係・セルフケア〜
産後クライシス対応で一番大切なこと
「実践した3つの方法」と掲げてしまいましたが、究極には1つしかないと私は思っています。
それは「コミュニケーション」です。
「産後クライシス」シリーズでは、しつこいほどコミュニケーションを取ることを進めています。
言葉でもスキンシップでも、相手の懐に入っていくことが何より一番の解決法なのです。
次章以降では、誰と、どのようなコミュニケーションを取っていくことが解決につながるのかを、私の経験をもとにお伝えしていきますね。
夫と建設的なコミュニケーション
クライシス発生の原点ですから、夫とのコミュニケーションは外せません。
では、どのようにアプローチしていけばよいのでしょう。
それは、「建設的な対話」です。
私たちは、要求を伝えたり、拒否された時に、前向きな着地点を求めたりする対話の方法を学んできていません。
だから、一方的な要求を伝えたり、相手が要求を飲まなかった時に険悪な雰囲気になってしまったりします。
産後は特に、論理的な思考が苦手になっていますから、対話になりにくい傾向にあります。
ですから、少しずつでかまわないので、対話につなげるコミュニケーションをとれるようにしていきましょう。
「NO」を受け入れるには?
まず、要求に対して、誰もがNOを言っていいという考え方を夫と共有しましょう。
疲れていたり、他の用事で手がふさがっていたり、相手にも事情がありますから、それを受け入れることです。
NOと聞くと、私たちは自分が否定されたように感じることがよくあります。
しかし、NOは単にその依頼には応じられないというだけのこと。
産後うつやマタニティーブルースの時は、「NO=あなたには価値がない」というフレーズに脳内変換されやすいので、意識的に「用事が断られただけ」ということを頭にインプットしましょう。
NOの言いっぱなしには注意
さて、では要求が通らなかった時はどうしたらいいのでしょう。
ここで、お互いの状況の共有が求められます。
「今はおむつ替えの最中で手が離せない」という状況で買い物を頼まれても困ってしまいますよね。
・「10分後なら動ける」と目安を示す
・「ネットで買ってはどうか」と違う方法を提示する
・「どうしても無理なので諦めてほしい」と状況を伝える
ただ、NOだけではなく、いくつかの選択肢を提示することによって相手に選ぶ余地を提供するのです。
このようなアプローチによって、双方が納得できる方法を探っていくことができるようになっていきます。
子育ては一人でするものではありません。
同じ土俵に上がって、一緒に考える機会を作っていく。
次に、同じようなシチュエーションになった時に繰り返さないためにも、建設的なコミュニケーションの練習をしていきましょう。
友だちと発散のコミュニケーション
「友情は喜びを二倍にし、悲しみを半分にする」というドイツの詩人・シラーの言葉があります。
一人でつらさを抱えていると、その思いに固執してしまって視野がどんどん狭くなってしまいます。
そんな凝り固まった思いに風穴を開けるには、気のおけない友だちとのおしゃべりが最適です。
赤ちゃんを抱っこしてもらいながら、いつもより少しゆっくり、ご飯を食べておしゃべりすると、不思議と気分が晴れてきます。
もし、預けられるなら赤ちゃんなしで、赤ちゃん連れでは入れないような大人なお店に出かけてもいいですし、ウィンドーショッピングを楽しんでもいいですね。
自分のつらさを語るもよし、まったく関係ない話で大笑いするもよし。
外からの風は固まった気持ちをほぐす清涼剤になるでしょう。
新たなコミュニティに参加する
また、自治体などで主催する夫婦関係のコミュニティに参加してみるのも一計です。
友だちには話しにくいディープな内容も、こうした場ではオープンに話しやすいものです。
自分の重荷になっている部分をアウトプットすることによって心が軽くなるので、ちょっと視野を広げて自分の状況をとらえられるようになりますよ。
自分と癒しのコミュニケーション
赤ちゃんの誕生は、本当なら夫婦二人にとって、喜びと幸せに満ちた新しい生活のスタートだったはず。
そんな生活が夫婦の危機に瀕しているという現実は、ママにとってとてもつらいことです。
妊娠してから今まで、目まぐるしく変化する自分の身体と心に付き合いながら、産後は赤ちゃんのお世話までしている。
これはママだけにしかできない、とても大変で大切なお仕事です。
私は今日、赤ちゃんにおっぱいをあげた。
私は今日、泣いている赤ちゃんを抱っこした。
私は今日、赤ちゃんのおむつを替えた。
私は今日、洗濯をした。
私は今日、ご飯を作った。
私は今日、上の子を保育園に送った。
当たり前にやっていることの一つひとつが当たり前ではなく、どれも貴く、かけがえのない時間の積み重ねです。
自分に語りかけて心の容量を広げる
できなかったことではなく、できたこと、当たり前のことを思い返して、
「私は今日もとてもよくやっている」
と自分に語りかけて自分を癒してあげてほしいのです。
そして、できなかったことに対しても「できなかったけど、がんばったよね」「出来ない時もあるよね」と自分をねぎらう言葉をかけてあげてください。
自分を癒すことで心に少しゆとりが生まれると、それまでイライラしていたことに対しての反応が変わってきます。
自分の心の容量が少し広がるのですね。
さいごに
産後クライシスは、一人で抱え込むことによって深刻化します。
思いをアウトプットして自分の感情を整理することが、解決につながるアプローチになるのです。
話しても分かってもらえないとあきらめる前に、小さなことでもいいので自分の思いを話してみましょう。
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村田あゆみさんのコラム一覧
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- 本記事は2018年5月23日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。