LGBTに関する日本の現状は?最近のニュースから解説【鈴木茂義さん】
LGBTの法律関連ニュース
日本には『LGBT法連合会』という団体があります。
団体のホームページの冒頭には、
『LGBTの差別を禁止する法律はEU加盟国全て、オーストラリア、米国(州別)等の先進国で制定されています。国連でも同じような動きがありこうした法律はグローバルスタンダードになっています。』
と書かれています。
日本では差別禁止法はまだ制定されていません。また、婚姻の平等を認める法律も制定されていません。
しかし、最近このようなニュースがありました。
福岡市パートナーシップ宣誓制度を導入。平成30年4月2日から。
これはパートナーシップの宣誓による宣誓書受領証の交付を通じ,性的マイノリティの方々が抱える生きづらさの解消につなげるものです。
受領証の交付を受けることができますが、これは法的な効力を有するものではありません。
しかしパートナー同士がお互いのよりよい関係性について考えたり、周囲への理解を広めたりするきっかけになることもあると私は考えています。
豊かでよりよい関係性がパートナー間やコミュニティの中に広がり、それが社会全体の理解や法律の整備につながることも期待したいです。
法律が先?理解が先?
とはいえ、LGBTと法律については、
『理解が進んでから法律の制定をすべき』
『法律の制定をきっかけに差別禁止と理解促進を進めていくべき』
という、『卵が先か、ニワトリが先か』という意見が、しばしば聞かれます。
いずれにしても先ほど述べたように、LGBTに関するトピックは私の考えとして『社会の中でどう生きていくか』『社会の枠組みはどうあるべきか』ということとかかわっています。
人々の「豊かに生きたい」「よりよく生きたい」という願いを叶えるためにも、差別禁止法や理解促進法、婚姻の平等を願わずにはいられません。
よく見て、聞いて、話す
LGBT、日本の現状は?ということについてお話してきましたが、いかがでしたでしょうか?
日々、LGBTに関する様々なトピックが流れる中で、私自身もよくわかることとよくわからないことがあると思っています。
小学校の先生ということで、LGBTと教育については少しわかるので、そのことをきっかけに他のトピックについても考えていきたいです。
そのときに私が大事にしていることは、「いまここで自分ができることは何か」ということです。
私の場合は、
小学校に行って子どもと一緒に授業をすること。
楽しくてわかる授業をすること。
子どもをよく見て、話をよく聞いて、よく話すこと。
これはLGBTに関する活動についても通ずるところがあります。
私自身がLGBTに関する法整備や企業支援の専門家にはなれないので、よくわからないことについては「よく見て、よく聞いて、よく話す」ことを心掛けています。
また、色々な意見が可視化されつつあることで、意見の相違や対立も表に出てくるようになりました。
LGBTに関するトピックを対話や議論の真ん中において、様々な立場の人と語り合える準備をしておこうと思います。
そんな状態も、「多様性」とか「ダイバーシティ&インクルージョン」と言えるかもしれませんね。
また次回のコラムでお会いしましょう。
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- 本記事は2018年4月18日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。