LGBTのカミングアウトの割合や理由って?事例を挙げてご紹介【鈴木茂義さん】

2018.05.29公開 2018.11.23更新
 

こんにちは。シゲせんせーです。5月もあっという間に下旬に突入しました。

 

新年度の疲れが出やすい時期ですが、みなさんの体や心の調子はいかがですか?

 

1日の中でも、ホッと体や心を落ち着かせる時間があるといいですね。

 

私も学校の仕事にLGBT関連の活動、プライベートの活動と忙しく動いています。

 

夜は、ぬるめのお風呂にゆっくり浸かって疲れをとるようにしています。

 

先日のコラム「LGBTのカミングアウトをされたら?職場・家族の声掛け事例を紹介」は多くの方に読んでいただき、反響がありました。

 

カミングアウトについては、色々な方が興味をもっていると感じました。

 

今回は、LGBTのカミングアウトの割合や理由についてのコラムです。

 

【関連まとめ】

>>LGBTとは?割合・カミングアウト対応例・インタビュー【臨床心理士&当事者まとめ】

 

LGBTをカミングアウトする人の割合

今回のコラムを書くに当たり、このような調査結果を見つけました。

 

lgbt1

 

LGBT当事者アンケート調査~2600人の声から~

 

カミングアウトする人の割合について、以下のようなデータがありました。

 

カミングアウトしたと答えた回答者が多かったことについて、分析を担当した国立社会保障・人口問題研究所室長の釜野さおりさんは次のように分析しています。

 

“今回の調査は回答者が別の当事者や支援団体などとすでにつながっていて、そこからの声かけで、アンケートに回答した可能性が高く、SNSやネットなどですでにカミングアウトしているという人が多かったのではないか。

 

この調査の存在を知らなかったり、調査について知っていても、周囲に知られたくないため回答できなかったという人からも回答が得られれば「(カミングアウトを)だれにもしていない」という答えがもっと多くなったのではないか”

 

私もこのデータを見たときに、カミングアウトをしている人が意外と多いなと感じました。

 

しかし、周りの人の話を聞いていると、誰にもカミングアウトをしていないという人が、もっと多いように感じます。

 

ある程度オープンにしている人はたくさんの人にカミングアウトをしているけど、そうでない人は周囲に全くカミングアウトをしていないという二極化が見られるかもしれません。

 

 

カミングアウトする理由

上の調査にあるようにカミングアウトをする人も、一定数いることがわかりました。そもそもカミングアウトする理由はなんでしょうか?

 

以下に理由の一例をご紹介します。

 

大切な人に自分のことを伝えたいから

これは私がカミングアウトをした理由の1つです。

 

大切な家族や友人、職場の人に、彼女や結婚のことを聞かれるたびに、私はうそやごまかしでその話題をかわしていました。

 

しかし、それがだんだんしんどくなり、自分のことを伝えたいという気持ちが高まってきました。

 

教え子に対してもそうですが、自分のありのままの姿を知って欲しいという気持ちがありました。

 

周囲の人に聞かれたから

元バレーボール選手の滝沢ななえさんは、自身がレズビアンであることをカミングアウトしました。

 

「レズビアンだと気付けて、めっちゃ嬉しかった」元バレーボール選手・滝沢ななえさんがカミングアウトした理由

 

その中で滝沢さんは、

 

「実は自分からは言い出していなくて、親友から突然『あのさ、ななえって女の子が好き?』と聞かれたんです。それまで『彼氏ができても好きになれなくて…』という話もずっとしてきた親友だったので、そのときに『彼女ができて』とカミングアウトしました」。

 

とおっしゃっています。

 

自分からはカミングアウトしないけど、人に聞かれれば話すという人もいるようです。

 

周りの人に知られてしまった

自分ではカミングアウトをするつもりがなかったものの、ふとしたきっかけからカミングアウトせざるを得ない状況になったという話も聞きます。

 

同性のパートナーとのメールのやりとりを親に見られてしまった、

 

部屋に置いておいた雑誌を家族に見られてしまった、

 

デートしているところを友達に見られてしまった、

 

など、色々なことを聞いたことがあります。

 

自分のタイミングでカミングアウトをするときですら緊張する人もいますが、意図しないところでカミングアウトをせざるを得ない状況は、本人の大きな負担になると考えられます。

 

 

カミングアウトの事例

「結婚はまだか?」という親に対して

ゲイ男性Aさんには、付き合って10年の男性パートナーがいます。

 

Aさんは年に2回は、地方の実家に帰省します。

 

長男であるAさんは、実家に帰省するたびに「彼女を連れてこないのか?結婚はまだか?」と、親や親戚に言われます。

 

Aさんは、そのことを少々気にしていました。

 

「カミングアウトをして親を心配させたくないし、このままカミングアウトをしないでおこう。」と思っていました。

 

そして一方で、「いつかパートナーを両親に紹介したい。」という思いももっていました。

 

年を取るたびに、Aさんのカミングアウトしたい気持ちは大きくなり、まずは兄弟にカミングアウトをしました。

 

兄弟のカミングアウトをして様子を見た後に、また別の機会で両親にカミングアウトをしました。

 

初めは両親も戸惑っていましたが、Aさんが東京でパートナーと楽しい暮らしを送っていることが徐々にわかってきたようです。

 

Aさんと両親、そしてAさんのパートナーが4人で会う日も、近いかもしれません。

 

トランスジェンダーの生徒の存在

中学校に勤務する女性のB先生は、女性のパートナーがいます。

 

そのことを職場ではカミングアウトしていませんでした。

 

ある年の新年度、新入生の中に性別違和のあるトランスジェンダーの男子学生(体の性は女性。性自認が男性。)がいると情報が入ってきました。

 

よりよい支援のために、保護者を含めて校長室で会議が行われました。

 

生徒指導担当であったA先生も、校長室で一緒に支援について考えました。

 

トランスジェンダー男子学生の保護者の話を聞いているうちにA先生は、

 

「自分がこの場でカミングアウトをすることで、何か力になるかもしれない。」

 

と思い、校長先生や保護者の前でカミングアウトをしました。

 

 

まとめ

誰にも1人1人にライフストーリーがあるように、カミングアウトのストーリーも1人1人違います。

 

事例でお伝えしたのはほんの一部であります。

 

カミングアウトは「する・しない」に良し悪しがあるわけではなく、

 

「どのように自分を大切にするか」

「どのように他者を大切にするか」

 

が重要だと思います。

 

次回以降のコラムでまた、カミングアウトについてお伝えしたいと思います。

 

今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

 

【関連まとめ】

>>LGBTとは?割合・カミングアウト対応例・インタビュー【臨床心理士&当事者まとめ】

 

 

鈴木茂義さんのコラム一覧

【Part  1】LGBTに関する日本の現状は?最近のニュースから解説

【Part  2】LGBTの割合ってどれくらい?本当に身近にいるの?

【Part  3】LGBTのイベント!東京レインボープライドとシゲせんせー

【Part  4】LGBTと差別問題の実態や背景…差別問題を乗り越えるには?

【Part  5】LGBTのカミングアウトをされたら?職場・家族の声掛け事例を紹介

【Part  6】LGBTのカミングアウトの割合や理由って?事例を挙げてご紹介

【Part  7】LGBTのカミングアウトについて~シゲせんせーが伝えたいこと~

【Part  8】【LGBT問題】教育現場での事例と解決策をシゲせんせーが解説

【番外編】らしく、たのしく、ほこらしく。東京レインボープライド2018レポート

鈴木茂義

上智大学文学部非常勤講師。公立小学校非常勤講師。東京都世田谷区男女共同参画センターらぷらす相談員。専門は特別支援教育、教育相談、教育カウンセリングなど。14年間の正規小学校教諭として勤務を経て現職。教育研究会や教育センターでの講師経験も多い。

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