産後クライシスで夫がうつになる前に!4つの予防方法とは?【村田あゆみさん】
意外かもしれませんが、産後うつに陥るのは女性だけではありません。
「産後クライシス=産後の夫婦関係の危機」、そこには、夫のうつも含まれます。
なんとほぼ同じ割合で、夫も産後うつになることが分かってきました。
男性の産後うつを指す、パタニティーブルーという言葉も生まれているほどです。
>>【産後うつまとめ】特徴・原因・チェック項目・夫婦関係・セルフケア〜
なぜ男性が「産後うつ」に?
出産したわけでもないのに、母性ホルモン出てるわけでもないのに、なぜ男性がうつになるのでしょう?
実は、妊娠期間を経て徐々に母となる自覚を育てていく女性よりも、誕生と同時に父親という役割を担うことになった男性の方が、変化に対応するのが困難なのです。
加えて、昨今の「イクメン」ブーム、さらには働き方改革での男性の仕事と育児の両立など、突然父親の「称号」を渡された男性を追い詰める要因がたくさんあるのです。
また、ママが産後うつになって、夫が子育てを担うようになったら、夫まで産後うつになってしまったというケースもあります。
男性の産後うつ、そしてそこから展開される産後クライシスを防ぐためにできることはあるのでしょうか。
産後クライシスで夫のうつを防ぐには?
お互いの思いを出し合う
赤ちゃんの誕生は、それまでの家族のあり方が一変する大きな出来事です。
夫婦や上のお子さんを含めた家族全員がその変化に対応するために、それぞれ頑張ったり我慢したりしています。
そこで、次のようなポイントを夫婦でお互いに書き出してみましょう。
話し合いにすると、感情が高ぶってしまうことがあるので、まず紙でもパソコンでもいいので文字化してみることをお勧めします。
<書き出すポイント>
・どんなことを嬉しいと感じているか
・言われたい言葉、言われたくない言葉
・何が大変なのか
・やりたいのに我慢していることは何か
・相手のどこ(なに)が気になるのか
・相手に何を望むか
書き出した上でシェアすると、お互いに同じようなことを感じているのが見えてくることがあります。
これが口頭のやり取りだと、「私だって大変なのよ」「いや、オレだって」となりがちなのです。
しかし、書き出すというワンアクションをはさむことで、自分や相手の状況を客観視できるようになります。
お互いに時間を作って定期的にこのワークに取り組むと、その時々のニーズや変遷が見えるのでおすすめですよ。
完璧主義を手放す
男性でも女性でも、うつになりやすいのは真面目でしっかり仕事をする人に多いですね。
他の記事でも書いていますが、産後はママもパートナーもできないことがたくさん出てきます。
真面目な人ほど、できないことに対して罪悪感や劣等感を抱きがちです。
うつの症状が少しずつ進むと、周りの人の何気ない一言も脳内変換されて自分を責める言葉として聞こえるようになってきます。
できなくても何とかなるという、楽天的な発想で夫の精神的な負担をとりのぞいてあげましょう。
やらないと大変な事態になるようなことは、実はそれほど多くありません。
夕食のお皿が朝までたまっていても、
取りこんだ洗濯物の山から着替えを探しても、
2、3日お風呂に入らなくても、
どうにかなるものです。
これを読んで、「ゲッ、それは無理でしょ」と思ったあなたこそ、完璧主義者です(笑)。
自分自身に対してもですが、相手に対してもハードルをグッと下げて「これくらい大したことない」と流してしまいましょう。
お互いの無理と我慢が産後クライシスを悪化させているのですから。
お互いの大変さを比べない
産後、常に最優先なのは赤ちゃん。文字通り、寝る間をおしんで赤ちゃんのために身も心もささげています。
それは夫も同じ。
いつでも赤ちゃんと一緒にママと違って分かりにくいのですが、今まで以上に仕事に力を入れたい、家事を手伝うために早く帰りたいと思っているのです。
それでも思うように動けないジレンマを抱えて残業をしているのかもしれません。
自分のふがいなさを突き付けられるのが怖くて、逃げと分かっていても飲みに行ってしまうのかもしれません。
ママと違うのは「逃げられる」ということ。
そんな夫の姿にいらだつママの気持ちはよく分かります。だって、ママは逃げようにも逃げられませんから。
けれども、お互いに次元の違う大変さを抱えているので、ここで大変比べを始めても解決にはいたれません。
夫婦がお互いに新しい環境を作るために頑張っている。そのことをいったん受け入れてみましょう。
それでもうまくいかないこと、できないことがある。それをOKしてみましょう。
子どもを後回しにする
そして、時には子どもはちょっぴり後回しに。
欧米では、子どもを預けて夫婦で食事に出かけるのは当たり前のことです。
そうやって日ごろ取れないコミュニケーションの時間を作り出し、お互いをねぎらっているのです。
せっかくのお出かけも赤ちゃんも一緒だと、話したくても中断しなければならなかったり、落ち着いてのんびりすることもままならないですよね。
だから、託児やファミサポ、あるいは預け合いシステムに登録したりして、夫婦二人の時間を取ってみてはいかがですか?
さいごに
出産を機に、夫婦のコミュニケーションが減少して意思疎通が図れなくなると、相手の気持ちが見えなくなってしまいます。
男性の場合、ストレスを発散したり悩みを話したりできる場が少なく、またそうした状況に理解を示してもらえることも少ないようです。
一人で抱えているうちに症状が悪化、そのまま妻との関係もこじれてしまうパターンが多いのです。
産後はママも余裕がなく、夫の異変に気がつきにくいので、「産後クライシスで夫が浮気?夫婦関係を改善する3つの方法とは?」でも書いたような、小さなコミュニケーションを取っていくように心がけることも予防につながりますよ。
>>【産後うつまとめ】特徴・原因・チェック項目・夫婦関係・セルフケア〜
村田あゆみさんのコラム一覧
【Part 1】産後うつかも?経験者が教えるチェックしたい3つの前兆とは?
【Part 2】産後うつの原因って?実体験で分かった3つの原因
【Part 3】産後うつになりやすい3つの特徴や20のチェック項目とは?
【Part 4】産後うつで夫が嫌いに…すぐに実践できる3つの克服方法とは?
【Part 5】産後うつにカウンセリングがオススメな3つの理由とは?
【Part 6】産後クライシスの解決法!私が実践した3つの方法をご紹介
【Part 7】産後うつ・クライシスで離婚?後悔する前に試してほしい3つのこと
【Part 8】産後クライシスで夫が浮気?夫婦関係を改善する3つの方法とは?
【Part 9】産後うつを夫が理解しない…夫の理解を得るための3つのコツ
【Part10】産後うつへの夫の対応…ついやりがちな3つのNG対応とは?
【Part11】産後うつで夫ができることって?私が嬉しかった3つのこと
【Part12】産後クライシスで夫がうつになる前に!4つの予防方法とは?
【Part13】二人目で産後うつの再発が心配…大切な5つのマインドセットとは?
- 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
- 本記事は2018年7月4日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。