
LGBTのカミングアウトをされたら?職場・家族の声掛け事例を紹介【鈴木茂義さん】
目次
カミングアウトした時に言われたこと
身近にLGBTの知り合いがいなかったり、知識や理解がなかったりした場合は、驚いてしまうことがあります。
私もカミングアウトした相手から
「驚いた」
「びっくりして何と返事をしていいか分からなかった」
「そのあとに話すことができなかった」
「とにかく話題を変えたかった」
「自分に何を求められているのかわからなかった」
と言われたことがありました。
「シゲちゃんが大事なことを話してくれたのがわかったからこそ、傷つけない対応をするために必死に考えた」
と言われたこともありました。
良し悪しを勝手に判断してませんか?
誰が好きかという性的指向や、自分の性をどう感じているかという性自認をカミングアウトされて、とっさに
「それは変だ」
「普通じゃない」
「意味が分からない」
と不要な判断をしてしまい、関係がこじれてしまったという話を聞いたことがあります。
人によってはLGBTがまだ身近でないこともあり、まずはただ相手の話を聞いてそれを受け止めるということに慣れていないこともあります。
アドバイスではなく受け止める
相手から投げられたカミングアウトというボールを、「何とかして打ち返さなければ…」と考え、困ってしまったという話も聞きました。
初めはアドバイスや質問という打ち返し方ではなく、相手から投げられたカミングアウトのボールをキャッチして受け止めるというやり方がよいかもしれません。
カミングアウトへの3つの対応ポイント(職場編)
私が職場の中で実践している対応とそのポイントです。
LGBTに関するカミングアウトは、そこでのみ通用するものではありません。
他のトピックのカミングアウトについても、広く使えるものだと思います。
まずは受け止める
「あー、そうなんだ。」
「伝えてくれてありがとうね。」
「大事なことを話してくれたね。」
「私に話すのに勇気が必要だったね。」
自分の気持ちを素直にI(アイ)メッセージで伝える
「ちょっと驚いたよ。」
「身近にいなかったからびっくりしたよ。」
「いまどう反応していいか正直わからないよ。」
など、私は〇〇と思った、今私は〇〇の気持ちだ、と私を主語として伝えることは、相手を傷つけにくいです。
同時に、自分の気持ちを抑えすぎずに相手に伝えることができます。
相手の許可を取って質問する
「どうして私に話してくれたの?」
「わからないことがあるのだけど、質問してもいい?」
「聞きたいことがあるのだけど、まだ話せる?」
「私にしてほしいことは何?」
「逆に私にしてほしくないことは何?」
「職場で困っていることはある?それともない?」
「会社で他に知っている人はいるの?」
などの質問を通じて、相手が自分にどうして欲しいのかを理解することが必要です。
カミングアウトはされた側が答えを持っているのではなく、カミングアウトをした側が答えを持っていることが多いです。
コミュニケーションをとりながら、2人の間の答えを作り上げていきます。
具体的な対応策を考える
カミングアウトした方が職場の中で困っていれば、具体的な対応策を考えます。
コツは「いま取り組める」「ここで取り組める」という視点をもつことです。
セクシュアリティの部分を他の誰に伝えて対応を進めるか、誰には伝えないで対応を進めるか。
カミングアウトしてくれた相手と合意形成を図りながら進めていくことで、お互いに安心感をもちながら、対応を進めてことができるでしょう。
カミングアウトへの3つの対応ポイント(家族編)
私は、職場でカミングアウトされた場合も、家族からカミングアウトされた場合も、ポイントはそれほど変わらないと考えています。
ただし、家族は、職場の人間関係よりも心理的・物理的な距離が近いことを考慮します。
また、いままで共に過ごしてきた時間もとても長いです。
カミングアウトされて受け止めることができた場合はよいですが、そうでないときは、I(アイ)メッセージで伝えることや質問を多めにすることが大事だと思います。
「いますぐに答えられないので考える時間が欲しい」
「私もじっくり考えたい」
「あなたの許可が取れれば他の家族に相談したい」
と伝えることは、悪いことではありません。
カミングアウトされた人も、カミングアウトされた瞬間に、
「大事なことをカミングアウトされた世界でたった一人のマイノリティ」
になり、孤立してしまうこともあります。
だからこそ、「カミングアウトされた私にも要望がある」ということを、ゆっくり穏やかに伝えることも大切です。
まとめ
カミングアウトした人の勇気、不安、戸惑い。
そして、カミングアウトされた人の驚き、戸惑い、迷い。
その全てを丁寧なコミュニケーションを通じて共有することが、2人の関係をよりよく深めるきっかけになると感じています。
とはいえ、コミュニケーションですから失敗することがあります。
人間関係の「誤ちと誤り」はつきものです。
だからこそ、「誤り」があったときは「謝り」が必要なのだと思います。
1度のコミュニケーションの「誤り」で、お互いの人間関係が終わるのではもったいないと感じます。
「ごめんなさい。悪気はなかったし、あなたを傷つけるつもりもなかったんだ。これからもあなたと関係を続けいていきたいから、また話を聞かせて欲しいな。」
という気持ちがあれば、試行錯誤しながらも良い方向にむかえるのではないでしょうか。
私もコミュニケーションの場面で、間違えることがあります。
でも前述のことを思いながら、小学校の子どもたちと接しています。
【関連まとめ】
>>LGBTとは?割合・カミングアウト対応例・インタビュー【臨床心理士&当事者まとめ】
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- 本記事は2018年5月16日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。